Jun 09, 2025 news

斉藤由貴・南野陽子・浅香唯 スケバン刑事“麻宮サキ”奇跡の集結 「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクト

A A
SHARE

1960年に開業した映画館、丸の内TOEIの閉館に向けた、長い歴史のグランドフィナーレを彩る「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクト。去る6月7日(土)には「スケバン刑事」シリーズ作品の劇場上映が行われ、歴代キャストである斉藤由貴、南野陽子、浅香唯が登壇した。

「スケバン刑事」は、1976~1982年まで連載されていた和田慎二による人気漫画。1985年に斉藤由貴主演・東映制作でテレビドラマ化された第1作は一躍人気番組に。この人気を引き継ぎ、主演を南野陽子に替えた第2作「スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説」、さらに主演を浅香唯らに替えた第3作「スケバン刑事Ⅲ 少女忍法帖伝奇」が放送され、「Ⅱ」の後日談的物語にあたる映画『スケバン刑事』、「Ⅲ」の劇場版となる映画『スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲』も公開に。

そんな80年代スケバン刑事の歴代主演キャストが作品シリーズの関連イベントで観客の前に登壇するのは今回が初めてのことだといい、丸の内TOEIの舞台に登場した斉藤由貴、南野陽子、浅香唯は大きな拍手に包まれながら満席の会場を見渡し、笑顔をこぼした。

初代“麻宮サキ”を演じた斉藤由貴は「本日はこのような素敵なイベントにこのような機会で呼んでいただけてとっても嬉しいです。短い時間ではありますが、お二人とご一緒にステージに立つ日が40年後に来るなんて夢にも思わなかったので、本当に私自身がワクワクしています。お二人もよろしくお願いいたします」と挨拶。

続いて二代目の南野陽子は「皆さんこんにちは、“麻宮サキ”です」「40年という時を経て、こうして皆で会えて、本当にワクワクしています。三人は同じ役ですけれども時期が違ったので当時はなかなか会うこととかはなかったんです。なので、40年経ってこんな素敵な時間が持てるのだということで本当に嬉しく思います。本日はよろしくお願いします」と挨拶。三代目の浅香唯も「皆さんこんにちは‥‥風間唯です!」「私は、初代そして二代目に続いて三代目をやらせていただくということで、当時大変なプレッシャーでした。そして、その方々とこうして同じ壇上に並ばせていただく日が来るというのは、本当に感慨深くて光栄で嬉しいです。今日この日を楽しみに待ってくださった方がたくさんいらっしゃるという風にお聞きしました‥‥私もその中の一人です。ということで、短い時間ではございますが、最高に楽しませていただきたいと思います」とこの日を待ち望んでいた気持ちを表した。

「スケバン刑事」第1作目が放送された1985年から数えて、今年は放送開始40年の節目(原作連載開始からは50年の節目)の年。そんな節目に「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクトの一環として、こうして初代・二代目・三代目の3人が勢ぞろいすることについて、改めて今の気持ちを聞かれると、斉藤は「当時はそれぞれがそれぞれデビューしたてで、先ほどバックヤードでお話していたらデビューが同じ、それぞれが今年40周年でとても感慨深いなと思いつつ、その当時は一緒に話す機会も全然なかったし、何よりお互いまだ殻があって、緊張してて、心を開いて自分からっていうのが、特に私は難しかったです。だけど月日が経って、お互いに“いい歳”になって、そうしたら変な殻とか関係なく『わあ、久しぶり』『最近どう?』と言い合える、フランクに、ワクワクして話すことができるようになったのは、『あ、歳をとるって、いいことだな』だなんて、今日お二人にお会いできてすごくそう思いました」と語り、南野は「当時、まあほとんど40年前ですけど、ヨーヨーの受け渡し式で由貴ちゃんにお会いする機会はありましたが、なかなかお話しするような機会はなくて‥‥当時は生放送の番組が多く本当にドタバタしていて、同じ現場でも喋ることはなかったです」「当時は喋れなかったけど、一緒に毎日いたわけじゃないけど、まるで毎日いた人のように顔を合わせて喋れるようになったので、その関係は素敵だなと思います」と話した。

そして、三代目を演じた浅香が「私から言わせれば、由貴さんがワクワクしてくれるとか、陽子さんがドキドキしてくれるとか、そんな嬉しい言葉はないなと。デビューは同じで、40周年で、というのはありますが、大先輩という感じがしてならないです」と話すと、南野もすかさず「ちょっとわかる。私も由貴ちゃんって大大大先輩って感じがするもん」とほほ笑む。2人から「大先輩」と言われた斉藤は「たまたま初代だから真ん中に立っているだけ」「でも、お二人の話を聞いていて思ったのは、『スケバン刑事』というのは今でこそ皆さんにすごく受け入れていただいて、当時ひとつの大きなブームみたいにもなりましたけど、蓋を開けるまではどうなるかわからないみたいな特殊な作品だったと思うんですよ。『え、こんな感じの物語?』っていうところに私たち三人は飛び込んでるわけですよね。その特殊な物語に、三人とも震えながら飛び込んで全力を尽くしていたと思う。初代・二代目・三代目とかありますけど、そういうことは関係なく、皆さん一緒に全力で戦った同士だなと思います」と続け、南野、浅香も深く頷いた。

「スケバン刑事」出演が決まった時のことについて話が及ぶと、斉藤は「私はね、イヤでした」とニッコリ笑顔で、会場の爆笑をさらった。続けて「イメージと合わないと思った」と話し「原作で描かれた“麻宮サキ”とあまりにもビジュアル的にもかけ離れていたし、駆け出しのアイドルでこれから頑張らなければならないから、というのがあったのも何となく素人なりにも分かって、『なんだか私じゃない』という気がして、モヤモヤしたんです」と明かした。南野も「私も最初は困りました」と苦笑いで同意。「マネージャーからは『学園モノが決まったよ』と遠回しに聞かされました。斉藤由貴ちゃんのヒットの後だったし、運動がちょっと苦手なのでアクションシーンへの心配もありましたし、台詞も土佐というかよくわからない言葉だし、仮面を被るし‥‥本当に撮影が始まるまでは想像ができなくて大変でした」と振り返る。浅香は「私はお二人とは違って、大ヒットシリーズのオーディションということで参加したのが第一歩目。南野陽子さん版の『スケバン刑事』の台本を読む、というのが当時のオーディションでおこなったことですが、土佐弁で書いてあったので本当に意味がわからない(笑)私は出身が九州の宮崎でしたので、土佐弁に故郷の宮崎弁をかけてオーディションに挑み、逆にそれが監督さんやプロデューサーさんに『無邪気だな』とウケたようですが、オーディション当時はまったく手ごたえはなく、みんながケタケタ笑って終わったので、まさか合格するとは思ってなかったですね」と裏話を明かす。