May 23, 2025 news

天海祐希「閉館は寂しいが、きっと次に繋がる」『老後の資金がありません!』上映&舞台挨拶開催 「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクト

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5月23日(金) 『老後の資金がありません!』主演の天海祐希と前田哲監督が「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクトのプログラムとして 丸の内TOEIに登壇、舞台挨拶が開催された。

満員の客席から割れんばかりの拍手と歓声が贈られる中、映画主題歌、氷川きよしの「Happy!」に乗せ登場した天海祐希と前田哲監督。

冒頭の挨拶で天海は「今日は『老後の資金がありません!』を既に見たことがある方、これから初めてご覧になる方いらっしゃるかと思いますが、改めて劇場で見られるこの機会にお越しくださりありがとうございます。本作をもう一度上映しながら舞台挨拶ができるのは幸せですね。もう一度かけていただけて嬉しいですし、本当に幸せなことだと思っています」と語り、前田監督は「草笛光子の代理で来ました。二階席までいっぱいで、ありがとうございます!」と挨拶。

まず話題に上がったのは公開当時の状況について。本作は、2020年9月公開を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり公開を1年延期して上映された。当時は舞台挨拶でも観客席を半分にしたり、壇上にアクリルパネルを置いて区切ったりしていたという状況だった中、天海は「作品が1年延期することで、これから良い方向に進むものと考えていました。結果、たくさんの方に作品を見に来ていただけて、本当によかったです」と公開当時の思いと感謝の気持ちを話した。

公開当時の思い出話を質問された天海は、実は丸の内TOEIに若村麻由美、氷川きよしとともにお忍びで本作を見に来たことがあると衝撃のエピソードを明かした。その際に少し上映のトラブルがあったようで、それにいち早く気づいた3人の中から天海が席を立ち受付の人に「ちょっと何か大変なことになっています!」と言いに行ったという話に会場からは大爆笑が起きた。

実際に劇場で鑑賞したことについては「お客さんがたくさん笑ってくれるのは嬉しい。比較的“お兄様・お姉様”の方々が来てくれたのが客席から伝わってきました」と嬉しそうに感想を語った。

本作で演じた篤子の役柄について印象を問われた天海は「最初脚本を見た時、私でもいいのですか!?という感じでした。ただ、全く普段の自分と違う役柄かと言われればそうではなく、トラブルや何かがあっても立ち向かって、最後は笑い飛ばす感じは自分に近いキャラクターだと思いますね」と回答。また、篤子の夫役を演じた松重豊が演じたキャラクターの印象を聞かれ、天海が「情けなさを持つキャラクターですが、どこか愛される人でしたよね」とコメントを寄せた。

そして、篤子を振り回す姑を演じた草笛光子に関しての話題になると、前田監督から「草笛さんの差し歯が取れてしまったことがある」と。それは実はハプニングだったのだが、あまりに面白かったので監督がそのシーンをそのまま活かしたいと思い、草笛もその提案に乗ったそう。

天海は、草笛と踊るラストシーンが特に印象深かったと語り「最後のパーティーのシーンは日光との戦いでしたね。顔が陰らないように、照明と日光を見ながら草笛さんを先導しながら、踊りながら、そして歌う!というのは非常に難しかったです」と撮影現場の様子を振り返った。前田監督はこのシーンについて「このシーンに関して天海さんは演者であり照明スタッフでした。しかも1カット長回しでやったので、ライブ感を活かさないといけない。2回程の少ないチャンスの中でしっかり撮影することができました」と、撮影の思い出を振り返った。

トークの終盤には天海が前田監督について「“お兄様・お姉様”の方々が映画館に足を運び楽しんでくださった『老後の資金がありません!』があって、草笛さん主演の『九十歳。何がめでたい』のような、いわば新鮮なジャンルの映画を撮れたのではないかなと。前田監督だからこそだと思いますね」と称えた。

最後に7月27日で閉館する丸の内TOEIについて聞かれると、前田監督は「この劇場がなくなるのは惜しいのですが、閉館までまだ65日ありますし、現在『花まんま』という私の最新の監督作が上映中ですので、ぜひこの劇場でもご覧になってみてください」と語り、天海は「演劇も映画も劇場に足を運んでいただくことが私たちにとって励みになることですし、次に繋がりますので、どんどん劇場に足を運んで映画を見てくれたらいいなと思います。丸の内TOEIがなくなってしまうのは寂しいですが、ここがなくなってしまうことも何か新しいことに繋がるのではないかと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします」と舞台挨拶を締め括った。

「さよなら 丸の内TOEI」は、2025年5月9日(金)から7月27日(日)まで開催中。

作品情報
「さよなら 丸の内TOEI」

往年の名作から最新作まで80タイトル以上を特集上映。そのほか、各種関連イベントが予定されている。

上映劇場:丸の内TOEI

提供:東映株式会社

Ⓒ2021映画「老後の資金がありません!」製作委員会

2025年5月9日(金)から7月27日(日)まで開催

公式サイト marunouchi-toei-sayonara0727