現代のフランスを代表する映画監督のひとり、パトリシア・マズィ監督による最新作、映画『サターン・ボウリング』。この度、家族の呪縛と暴力の連鎖を予感させる、本作の本予告映像と、メインビジュアルが公開された。

警察官のギヨームは、亡き父が遺したボウリング場の管理を、職も家も持たない弟に託した。だが、彼らは、自分たちが父から“内なる暴力”までも受け継いでいたことに気づいていなかった。やがて緊張が兄弟を隔て、街を震撼させる連続殺人事件へと結びついていく。
伝統的なサスペンスやフィルム・ノワールの骨格に、有害な男性性や暴力がもたらす悲劇を織り込み、さらに近年社会的関心を集めるネグレクトやフェミサイドの問題までも重ね合わせたマズィ監督は本作について「とにかく悲劇を描いた」と語る。男性の抑圧と女性の排除、家庭の継承と断絶。本作に漂う不穏な空気は、現代社会の影を鋭く炙り出していく。
映画『サターン・ボウリング』は、2025年10月4日(土)より全国ロードショー。

寝る場所を求めて街を徘徊するアルマンのもとへ、疎遠になっていた異母兄ギヨームが⽗の死を告げに現れる。彼らの父はボウリング場 サターン・ボウリングの経営者であり、狩猟を趣味とするハンターでもあった。警察官として働くギヨームは、遺産として継いだボウリング場を職も家も持たないアルマンに委ねる。だが婚外子の自分を捨てた父への怒りを抱えたアルマンは、傍若無人な経営で揉め事を起こしてばかり。そんなある日、兄弟の周囲で若い女性を狙った連続殺人事件が発生。ギヨームは事件を追うなかで、底知れぬ暴力の螺旋へと足を踏み入れていく。
監督:パトリシア・マズィ
出演:アリエ・ワルトアルテ、アシル・レジアニ、Y・ラン・ルーカス、レイラ・ミューズ
配給:SENLIS FILMS
© Ex Nihilo – Les Films du fleuve – 2021
2025年10月4日(土) ユーロスペースほか全国ロードショー