豪雨により壊滅的な被害を受けた人吉球磨地域を舞台に、失くした居場所を取り戻す人々の姿を描く、映画『囁きの河』。この度、本作の予告映像が公開された。
2020年、熊本豪雨により球磨川が氾濫し、壊滅的な被害を受けた人吉球磨地域。熊本を襲った豪雨から半年。母の訃報を受けた孝之は 22年ぶりに帰郷するが、仮設住宅で暮らす息子の文則は、かつて自分を捨てた父に心を開こうとしない。幼馴染の宏一が営む旅館「三日月荘」もまた半壊の痛手を負っていた。女将の雪子が再建を願う一方、父を土砂で亡くした宏一は前を向けず、災害は夫婦の間にも亀裂を生む。その頃、球磨川くだりの再開を信じて船頭を志す文則は、かつての同級生・樹里と再会。隣人の直彦と妻のさとみは仮設から自宅に戻ることを決め、孝之も水害で荒れた田畑の開墾に希望を見出していく。「居場所ばなくしたら、自分で取り戻すしかなか」河とともに生きてきた人々は、それぞれの歩み方で明日へ進もうとしていた。


本作は、2004年から熊本県のグリーン・ツーリズムに尽力してきた青木辰司・東洋大学名誉教授がエグゼクティブ・プロデューサーを、連続テレビ小説「おしん」の大木一史が監督を務める。いまだ災害の爪痕が残る現地での取材を重ねながら復興の歩みを見つめ、その土地で生きる人々の希望と再生を自然の力とあわせて描いた。




主人公の孝之を演じた中原丈雄は熊本県人吉市出身。地元の老舗旅館の営業再開を目指す女将には清水美砂、その夫に三浦浩一、孝之の息子に渡辺裕太、文則の元同級生に元 AKB48 の篠崎彩奈。また、孝之の隣人である夫婦を不破万作と宮崎美子が演じる。