Sep 15, 2022 news

小雪12年ぶりの主演作 9歳で失明、18歳で聴力を失った青年と母との実話に基づく物語 映画『桜色の風が咲く』

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9歳で失明、18歳で聴力を失いながらも世界で初めて盲ろう者の大学教授となり、東京大学の教授として教鞭をとっている福島智(ふくしまさとし)さん。2003年TIME誌による「アジアの英雄」に選出され、現在は、東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野教授を務める福島さんの幼少期から大学受験までの姿を描いた、映画『桜色の風が咲く』。

主演、福島智の母・令子を演じるのは、自身も3人の子供を育てながら活躍する小雪(こゆき)。12年ぶりの主演作で新境地を拓く。福島智の青年期を演じるのは気鋭の若手俳優・田中偉登(『朝が来る』)、夫・正美役に吉沢悠。ほかに、リリー・フランキー、朝倉あき等が顔を揃える。

この度、本予告映像&場面写真が公開された。

本作は、福島智と母・令子の実話にもとづく物語。ひとつひとつ困難を乗り越えながら人生の可能性を広げていく2人の勇気は、私たちの心を生きる歓びで満たすことだろう。令子が、盲ろう者である智との日常の中から考案した、リアルタイムで言葉を伝える新たなコミュニケーションの手段“指点字”は、現在、多くの人々に希望を与え続けている“指点字”誕生に至る、知られざる物語でもある。


【福島智さん (東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野教授) コメント】

私・福島智は今、59歳。母・令子は今、89歳。私は東京で妻と、母は神戸で1人で、おかげさまでまずまず元気にすごしています。この映画は、私のごく幼いころから、20歳ころまでの母と私の歩みを描いた作品です。シナリオを20バージョン以上も拝見し、いろいろと感想や意見をお伝えしました。また、母・令子役の小雪さんや智役の田中さんたちとも直接お会いして、雑談もまじえながら、点字や指点字の練習を一緒にしました。なので、私の心の中にはこの映画が鮮やかに息づいています。

実話に基づいているとはいえ映画ですので、さまざまな脚色やフィクションは当然含まれています。それでも、幼いころの義眼のエピソードや運動療法に取り組んでいた時のエピソードなど、事実に基づいていることも少なくありません。中でも、1981年の3月のある朝、「病院に遅れるで」と、文句を言いに台所に行った私に、母が突然、両手の指で私の指に妙なことをし始めたこと、つまり、「指点字」の始まりの場面は、現実と映画がそのまま連続しているように感じました。

ただし、小雪さんは母よりも指が細く、背がずっと高い。セリフもすっきりした東京言葉で、関西のおばちゃん言葉ではない。だけど、共通点もあります。それは、「生きるパワーがある」ということです。

作品情報
映画『桜色の風が咲く』

見えない。聞こえない。でも僕は“考える”ことができる――。
母と息子が見出していく希望に満ちた未来。
教師の夫、3人の息子とともに関西の町で暮らす令子。末っ子の智は幼少時に視力を失いながらも、家族の愛に包まれて天真爛漫に育つ。やがて令子の心配をよそに東京の盲学校で高校生活を謳歌。だが18歳のときに聴力も失う。暗闇と無音の宇宙空間に放り出されたような孤独にある息子に立ち上がるきっかけを与えたのは、令子が彼との日常から見出した、“指点字”という新たなコミュニケーションの“手段”だった。勇気をもって困難を乗り越えていく母子の行く手には、希望に満ちた未来が広がっていく‥‥。

監督:松本准平

出演:小雪、田中偉登、吉沢悠、吉田美佳子、山崎竜太郎、札内幸太、井上肇、朝倉あき / リリー・フランキー

配給:ギャガ

©THRONE / KARAVAN Pictures

2022年11月4日(金) シネスイッチ銀座、ユーロスペース、新宿ピカデリーほか全国公開

公式サイト gaga.ne.jp/sakurairo