第77回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門オープニング作品として選出され、さらにケイト・ブランシェットが作品に惚れ込み完成後にもかかわらず、エグゼクティブ・プロデューサーに名乗りを上げたクリストス・ニク監督のデビュー作、映画『林檎とポラロイド』。
この度、 本作の予告映像が公開された。
映像冒頭から「私は、映画界の新なる才能にふれ、喜びを感じました」というケイト・ブランシェットの賛辞ではじまる。記憶をなくす奇病が蔓延した世の中で、主人公の男は病院から薦められた「新しい自分」プログラムに参加することに。「自転車に乗る」「ホラー映画を見る」「仮装パーティで友達を作る」など日々与えられたミッションをこなす主人公の姿は、いたって真剣で真面目なのに、見る者はどこかおかしく感じてしまう。
しかし、男が、同じ治療を受ける仲間と出会いお互いのことを話すうち、親族の迎えがなく身寄りのないことや、ある忘れられない事実が浮かび上がる。冒頭のケイトの言葉で「哀しみの核を持ち、同時に心をくすぐられる映画」と形容された“哀しみの核”とは、一体何なのか?
本作の監督を務めるのは、リチャード・リンクレイター(『6才のボクが、大人になるまで。』)や、ヨルゴス・ランティモス(『女王陛下のお気に入り』)の助監督を務めていたクリストス・ニク。奇抜なアイデアと人間への優しい眼差し‥‥彼らの持ち味を独自に昇華させ創り上げたデビュー作『林檎とポラロイド』は、ワールドプレミアとなった2020年ヴェネチア国際映画祭で上映されるや、「見事なまでに胸を打つ<ガーディアン紙>」「魂のこもった今日性のある映画<ヴァラエティ誌>」と、その独創的で普遍的な物語に、絶賛の嵐が巻き起こった。次回作はケイト・ブランシェットプロデュース、キャリー・マリガン主演で製作が決定。2作目にして早くもハリウッド・デビューを果たすクリストス・ニク。世界が注目する監督のひとりとなる。
監督オリジナル脚本による本作は、哀愁とユーモアが絶妙なバランスで調合され、近未来的な設定ながらも、人肌のような温もりに満ちている。見る者は、主人公の寡黙で物憂げな表情、どこか滑稽で真面目なふるまいに笑い、そして明かされていく過去に胸を熱くする。
映画『林檎とポラロイド』は3月11日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開。
「お名前は?」「覚えていません」 バスの中で目覚めた男は、記憶を失っていた。覚えているのはリンゴが好きなことだけ。世界は、記憶喪失を引き起こす奇病が蔓延し、治療として「新しい自分」と呼ばれる回復プログラムが行われている。毎日送られてくるカセットテープに吹き込まれた様々なミッションをこなしていく。自転車に乗る、仮装パーティーで友達をつくる、ホラー映画を見る。そして、その新たな経験をポラロイドに記録する。様々なミッションをこなして行く中で、ある日、男は、同じくプログラムに参加する女と出会い、仲良くなっていく。しかし、「新しい日常」に慣れてきた頃、男は忘れたはずの以前住んでいた番地をふと口にする‥‥。「哀しい記憶だけ失うことはできませんか?」口数の少ない主人公が治療を通して心に宿した本当の思いとは?
監督:クリストス・ニク
出演:アリス・セルヴェタリス、ソフィア・ゲオルゴヴァシリ
配給:ビターズ・エンド
©︎2020 Boo Productions and Lava Films
2022年3月11日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開
公式サイト www.bitters.co.jp/ringo/