世界の映画作家たちに絶大なる影響を与え続けているフランスの巨匠ロベール・ブレッソンの幻の傑作『白夜』が、4Kレストアで美しく繊細によみがえる。
本作は、ポンヌフの橋で出会った若き男女が恋と愛にうつろう四夜の物語。画家のジャックは、ある夜、ポンヌフで思い詰めた表情をしている美しい女性マルトに出会う。翌晩、お互いの素性を語り合うジャックとマルト。ジャックは孤独な青年で、理想の女性との出会いを妄想してはそれをテープレコーダーに吹き込んでいた。一方のマルトは恋した相手に「結婚できる身分になったら一年後に会おう」と去られていた。そして今日がちょうどその一年後。マルトに熱い気持ちを抱きながらも、彼と出会えるよう献身するジャック。だが三夜目になっても男は現れず、マルトの心もジャックに惹かれ始めていた。そして運命の第四夜‥‥。
世界の映画作家たちに絶大なる影響を与え続けているフランスの巨匠ロベール・ブレッソン(1901-99)。そのブレッソンが残した珠玉の長篇映画13作品のうち、これまで最も見る機会の少なかった『白夜』。1971年カンヌ映画祭で初公開されたのち、近年ではフランスでさえ上映不可能であったが、その幻の逸品が2012年に日本でのみ35mmニュープリントで上映され、そして2025年、ついに4Kレストアされいっそうの輝きを纏い、いまスクリーンによみがえる。
原作はドストエフスキーの短篇。19世紀のペテルブルクを舞台にしたこの物語は、1957年にルキノ・ヴィスコンティによっても映画化されているが、ブレッソンは撮影当時のパリに舞台を移し、セーヌ河畔とポンヌフを背景に、若い2人の男女を見つめていく。ジャックとマルトを演じるのは、それまでまったく演技経験のなかったギヨーム・デ・フォレとイザベル・ヴェンガルテン。映画初出演の彼らが放つみずみずしさが、見る者をいつの間にかストーリーに引き込む。
映画『白夜』4Kレストア版は、2025年3月7日(金)より全国ロードショー。
画家のジャックは、ある夜、ポンヌフで思い詰めた表情をしている美しい女性マルトに出会う。翌晩、お互いの素性を語り合うジャックとマルト。ジャックは孤独な青年で、理想の女性との出会いを妄想してはそれをテープレコーダーに吹き込んでいた。一方のマルトは恋した相手に「結婚できる身分になったら一年後に会おう」と去られていた。そして今日がちょうどその一年後。マルトに熱い気持ちを抱きながらも、彼と出会えるよう献身するジャック。だが三夜目になっても男は現れず、マルトの心もジャックに惹かれ始めていた。そして運命の第四夜‥‥。
監督・脚本:ロベール・ブレッソン
原作:ドストエフスキー
出演:ギヨーム・デ・フォレ、イザベル・ヴェンガルテン、ジャン=モーリス・モノワイエ
配給:エタンチェ、ユーロスペース
© 1971 Robert Bresson
2025年3月7日(金) ユーロスペース、角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー