第76回カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した、トラン・アン・ユンが描く、映画『ポトフ 美食家と料理人』。この度、本作で美食家・ドダンを演じた、ブノワ・マジメルのインタビュー映像が独占公開された。
本作は、繊細な映像美で高く評価されてきたトラン・アン・ユン監督が、天才料理人ウージェニー役に『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー賞助演女優賞を受賞したジュリエット・ビノシュ、ウージェニーへの切なく揺れる想いを抱える美食家ドダン役に『ピアニスト』でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞したブノワ・マジメルを迎え、ガストロノミーに着目して制作された。
この度公開されたのは、第76回カンヌ映画祭で撮影されたブノワ・マジメルのインタビュー映像。本作のオファーを受け、愛と食の喜びを分けて扱わず融合させているところにとても惹かれたと話すマジメル。トラン・アン・ユン監督のビジョンが見事に表現されていた脚本を読み、「登場人物たちは四季と共に生きていて、料理は季節と共にあり、とても豊かに満ちている。全て食べる喜びのためにある」と、自身が演じた、‟食”を心から愛するドダンを振り返った。
初タッグとなったトラン監督については「常に探求を惜しまず自分はどう表現したいかが完璧にわかっている。彼の視点、彼のビジョンには常に驚かされた」と語り、また監督の妻でアートディレクションを担当したトラン・ヌー・イェン・ケーとトラン監督とのやりとりは「昔から共に仕事をしてお互いのことがよくわかっている。一体となってシェアする姿は感動的だった」と撮影を回顧。
また、プライベートでも料理好きなマジメルは実はポトフが大好きだという。保存がきき毎日手を加えることができるポトフは常に進化し続ける料理だと語るマジメルは「(本作の)メインがポトフと知った時、シンプルすぎやしないかと最初は思った。でも最もシンプルな料理こそ作るのは最も難しい。食の喜びは全世界共通ということ自体がすごいことで、肉体の快楽と食の快楽を結びつけているところが気に入っている。」と明かした。
元恋人のジュリエット・ビノシュとの20年ぶりの共演について尋ねると、彼女がオーブンから重いお皿を取り出す時や、沸騰したブイヨンを使うシーンでは火傷をしないか常に心配していた、と明かしつつ「多くのことをシェアしてきた彼女と再会し一緒に仕事をすることの喜びがあった」「彼女とは再び共演の機会が必ずくると思っていた」と共演の喜びを語った。
映画『ポトフ 美⾷家と料理⼈』は、現在公開中。
⾷を追求し芸術にまで⾼めた美⾷家ドダンと、彼が閃いたメニューを完璧に再現する料理⼈ウージェニー。2⼈が⽣み出した極上の料理は⼈々を驚かせ、類まれなる才能への熱狂はヨーロッパ各国にまで広がっていた。ある時、ユーラシア皇太⼦から晩餐会に招待されたドダンは、豪華なだけで論理もテーマもない⼤量の料理にうんざりする。⾷の真髄を⽰すべく、最もシンプルな料理「ポトフ」で皇太⼦をもてなすとウージェニーに打ち明けるドダン。だが、そんな中、ウージェニーが倒れてしまう。ドダンは⼈⽣初の挑戦として、すべて⾃分の⼿で作る渾⾝の料理で、愛するウージェニーを元気づけようと決意するのだが‥‥。
監督:トラン・アン・ユン
料理監修:ピエール・ガニェール
出演:ジュリエット・ビノシュ、ブノワ・マジメル
配給:ギャガ(ギャガロゴ)
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公開中
公式サイト pot-au-feu