【シリーズ】
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3部構成のトークパネル、最後の「シリーズ」パートは、11月に配信スタートする「イクサガミ」の藤井道人監督と、主演・プロデューサー・アクションプランナーの岡田准一が登場。エグゼクティブ・プロデューサーのNetflixコンテンツ部門 髙橋信一の進行でトークが進められた。
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本企画は、髙橋が岡田にプロデューサーとしての参加を提案したことから始まった。岡田は原作小説について、「原作者の今村さんの作品は以前から拝読しており、時代劇を継承しながら現代の視聴者にどのように伝えていくかを常に模索され戦われている姿勢にすごく敬意を抱いていました」と明かし、本作の映像化にあたっては、幅広い世代が楽しめるエンターテインメント性を備えた作品として、「新たな時代モノの道を切り拓くことができるのではないか」との可能性を感じたという。
また岡田は「歴史モノではこうあるべきだとか日本人の美しさを描くべきだという高いハードルがある一方で、本当に面白いエンターテインメントとして再考する必要がありました」と述べる。そのうえで、「黒澤明監督が39歳で『羅生門』を制作したように、上の世代の知見を借りつつ、若い世代のエネルギーとともに時代モノと向き合うことが重要だと考え、藤井監督の参加は不可欠でした」と振り返った。
そのビジョンに強く共鳴した藤井監督は、「これまで自分が生きていない時代を描く経験はありませんでしたが、原作が非常に魅力的で、エンターテインメント性をしっかり捉えた作品だと感じました」とオファーを即決したことを明かす。制作の上で最も大切にしていたのは、「様式美や精神を継承しながら、新しいものへ再構築・アップデートを果たす」ことだった。その中でも特にこだわったのが“キャラクター”。
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岡田は「物語上のゲーム性だけでなく、それぞれの人生や背景を折り込みながら、どのようにキャラクターを立てていくかを重視し、脚本は何度も作り直しました。日本、そして世界中の人々が理解しやすいキャラクターを意識し、衣装や武器、役者のトレーニングも考慮しながら構築していきました」と振り返る。
脚本づくりやキャスティングといった準備段階から徹底的にこだわり抜かれた本作は、新たな時代モノの可能性を追求する試みとして、岡田と藤井監督の強い想いのもとで制作が進められている。撮影が終了し、現在はポストプロダクションの段階に入っている本作。物語序盤の見せ場となるシーンでは、総勢1,000名のキャスト・スタッフが集結し、ワンシーンを数日かけて撮影するという大規模な撮影が行われた。岡田は「300人のキャストを動かすような大規模な撮影はNetflixならではのものでしたが、その分プレッシャーもありました。全員に熱量を伝えることが大変でした」と撮影時の苦労を振り返る。
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また、アクションプランナーとしても携わった岡田は、現場で役者一人ひとりに演出を行い、「アクションはこうなんです!」と熱心に指導する姿も見られたという。藤井監督は「岡田さんは現場の士気を常に高めてくれました」と語り、彼のリーダーシップが作品のクオリティ向上に大きく貢献したことを明かした。