【トークパネル2 シリーズ】
続いて【シリーズ】パートには、「地獄に堕ちるわよ」の主人公・細木数子を演じた戸田恵梨香、瀧本智行監督、エグゼクティブ・プロデューサーを務めるNetflixコンテンツ部門・岡野真紀子の3人が登壇。冒頭では、本作の音楽を担当したピアニスト・作曲家の稲本響による、蛇笛を用いたメインテーマ曲に合わせて、戸田演じる細木数子がお札を燃やす映像と地獄絵図のイラストがスクリーンに映し出される。続いて、本編の名台詞「あんた、地獄に堕ちるわよ」が響き渡り、おどろおどろしい空気の中、戸田、瀧本監督、岡野プロデューサーがステージに登場。

まず、オファーを受けた心境について問われた戸田は「私には年齢も性格も自分とは似ても似つかない女性なので、とにかく不安を抱いたが、プロデューサーから『細木数子のマネをする必要はない。戸田さんが思うままを演じてほしい』と言われたことが勇気となりました」と当時を振り返り、続く瀧本監督も「生前の細木数子に対して苦手意識があり、オファーを2度断っていました。しかし、そういう人が撮った方が面白いものになると説得され挑戦してみようと思いました」と振り返る。

撮影中に唯一無二の信頼関係を築いていったという戸田と瀧本監督について、撮影中の雰囲気、エピソードを問われると、監督は「衣装合わせの際、最終回の準備稿に納得がいかなかった戸田さんが、私とプロデューサーの元へ現れ、『シナリオはこれでいいんですか? 何を訴えたいんですか?』と詰められまして‥‥」と極道の妻のような衣装の着物姿に鬼の形相で抗議を受け慌てたが、それと同時に「この人なら細木数子を演じられる」と確信したと明かした。それに対し戸田は「細木さんについて、いろんなものを読み解くと、脚本で描かれていることが穏やかな感じに少し思えて『どうせこの人をやるんだったら激しくやりたい』っていう気持ちがすごく湧いたので、多分必死になりすぎちゃったのかな」と笑いながら話した。さらに、予告映像公開時にも話題沸騰となった、細木数子のビジュアルについて、50年にもわたる年月を演じ切った戸田は「1人の人生を生きさせてもらって、台本だと本当は泣いちゃいけないところで涙が出てきたり、自分が今、数子を演じているのか、自分自身が今泣いてしまってるのか分からなくなってしまうような感覚があって。楽しい人生を生きれてしまったなあっていう贅沢な時間でした」と明かした。


さらに、台本作りについても話が及ぶと、当時細木さんに苦手意識があったため、かなり悩んだという瀧本監督は「一番大きなポイントは伊藤沙莉が演じる売れない小説家が細木数子の自伝的な小説を書くという、現在軸の中で人生が明らかになっていく構成」と明かした。監督のデビュー当時、伊藤演じる美乃里のようになかなか仕事がなかった自身を重ね、「細木数子の自伝映画を撮ってみませんか」と依頼が来たらどうかと考えシナリオを作ったと語った。劇中の舞台となる銀座の街並みを作り上げるにあたって、スクリーンで制作過程のメイキング映像を見ながら、高いVFX技術についても「単なる再現でなく、映画人としての表現に変えていくことが一番のポイント」と語った。長期に渡る撮影を改めて振り返り、戸田は撮影現場での自身の家庭との両立にも触れ、「約半年間の撮影は本当に濃厚で、自分自身も1つの家庭を持って過ごしているけど、もう1つ自分の人生が本当にここにあったなっていう体感がした。10代から60代まで演じてみると、たくさんの出会いと別れがあって、愛しい時間だなあっていう風に思いました」と振り返る。

最後に、それぞれより配信スタートに向けたメッセージを問われ、瀧本監督は「色メガネを持って見る方も、怖いもの見たさで逆に見たいっていう方もいらっしゃると思いますが、とにかく1人でも多くの人に見てもらいたい」、戸田は「見進めていくと、どんどん本当の細木数子が出てきて、「何を抱えていたのか」が見えてくると思うんです。その時にたくさんの方から嫌われてしまった存在だったけれども、すごく孤独なものを抱えていたということも、感じられて。テレビで見てきたこととはまた違う側面の細木さんが見えてくると思うので、最後まで楽しんでいただけたらなと思います」と締め括った。