Oct 17, 2025 news

ヌーヴェルヴァーグの周縁で見落とされていたシネアスト、ネリー・カプランの傑作4作品を一挙公開! 特集上映「ネリーに気をつけろ!ネリー・カプラン レトロスペクティヴ」

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映画作家ネリー・カプランの傑作4作品を一挙公開する特集上映「ネリーに気をつけろ!ネリー・カプラン レトロスペクティヴ」の予告映像と各作品の場面写真が公開された。

1931年、アルゼンチンに生を受けたネリー・カプランは、フィルムアーキビストの国際会議のアルゼンチン代表としてフランスを訪れる。まもなく彼女は、フランス映画の名匠アベル・ガンスの知己を得、その映画制作に協力。やがてガンスと袂を分かったカプランは、シュルレアリスム小説家、批評家、ドキュメンタリー作家などのキャリアを経て、長編劇映画作家の道を歩みはじめる。

デビュー作『海賊のフィアンセ』はヴェネチア国際映画祭でプレミア上映され、パブロ・ピカソをして「芸術の域まで高められた尊大さ‥‥ルイス・ブニュエルの最高傑作並みの作風だ」と言わしめた。

このデビュー作以来、カプランは保守的な価値観に「抵抗」「反抗」する女性たちを描きつづけた。当時、彼女が監督したフィルムが正当な評価を受けていたとは言いがたく、原題や内容とは無縁の「情欲的」な公開題が付され、商業的には「ポルノ映画」として消費されることもしばしば。カプランが描く女性に認められる、家父長制社会の権力勾配を大胆に転覆せしめる奔放さは、現代的な文脈で再評価する時が来ている。2019年にはニューヨークでカプランのレトロスペクティヴが展開され、称賛の声があがった。

見逃せないラディカルな才能が、半世紀の時を超え“発見”される。

【上映作品】
『海賊のフィアンセ』 
『パパ・プティ・バトー』
『シャルルとリュシー』
『愛の喜びは』

特集上映「ネリーに気をつけろ!ネリー・カプラン レトロスペクティヴ」は、2025年12月26日(金)より全国順次公開。

イベント情報
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特集上映「ネリーに気をつけろ!ネリー・カプラン レトロスペクティヴ」

映画作家ネリー・カプランの傑作4作品を一挙公開。

【上映作品】
『海賊のフィアンセ』 
『パパ・プティ・バトー』
『シャルルとリュシー』
『愛の喜びは』

配給:グッチーズ・フリースクール

©1969 Cythère films – Paris
©1971 Cythère films – Paris
©1979 Cythère films – Paris
©1991 Cythère films – Les studios de Boulogne – Pathé cinema

2025年12月26日(金) Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開

公式サイト nellykaplan