読売文学賞 戯曲・シナリオ賞を受賞した松田正隆による傑作戯曲を、気鋭の演出家・玉田真也監督・脚本で映画化する、映画『夏の砂の上』が、2025年7月に公開されることが発表された。
本作は、息子を亡くした喪失感から人生の時間が止まり、妻に見限られた主人公と、妹が置いていった17歳の姪との突然の共同生活からはじまる。愛を失った男、愛を見限った女、愛を知らない少女。彼らはそれぞれの痛みと向き合いながら、小さな希望の芽を見つけていく。舞台は、雨が降らない夏の長崎。撮影は、2024年9月に全編オール長崎ロケで行われた。
主演の小浦治を演じるのは、日本の映画界を、監督・プロデューサー・俳優として牽引するオダギリジョー。オダギリは本作で共同プロデューサーも務める。
治の姪で、父親の愛を知らずに育った優子を演じるのは、髙石あかり。治の妻・小浦恵子を演じるのは、松たか子。さらに、父親のいない優子を兄の治に預け、男の元へはしる奔放な妹・阿佐子役には満島ひかり。髙石演じる優子のバイト先の先輩で、優子へ好意を寄せる・立山役に高橋文哉。治が働いていた造船所の同僚・陣野役を、自身のドキュメンタリー映画『素晴らしい世界は何処に』の公開が控えるフォークシンガーの森山直太朗が、同じく治の造船所の同僚・持田役を光石研が演じる。
映画『美しい夏キリシマ』の脚本、映画『紙屋悦子の青春』の原作を手掛けた長崎出身の松田正隆による読売文学賞 戯曲・シナリオ賞受賞の傑作戯曲を映画化するのは、気鋭の演出家・玉田真也。スタッフには『夜明けのすべて』の撮影・月永雄太と、照明・秋山恵二郎が参加する。原作となった戯曲は、平田オリザが1998年に舞台化して以降、幾度となく舞台で上演されており、2022年には主演・田中圭、演出・栗山民也で上演された。本作の監督・玉田も自身の劇団「玉田企画」で2022年に上演した思い入れの深い作品。念願が叶い、日本映画の第一線で活躍する豪華キャストとスタッフを迎えて長崎での撮影が実現した。
