Sep 11, 2021 news

リム・カーワイ監督作品 映画『いつか、どこかで』が「なら国際映画祭 for Youth 2021」で上映 ! 宣伝・広報活動はユースシネマインターン生たちが担当

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芸術の力で次世代を担う子どもたちの応援プロジェクトとして「なら国際映画祭 for Youth 2021」(主催:NPO法人なら国際映画祭主催)が2021年9月18日(土)〜20日(祝・月)の3日間開催される。

リム・カーワイ監督作品の映画『いつか、どこかで』は、映画流れ者(シネマ・ドリフター)を自称するリム監督が旅をしながら映画制作をおこなうバルカン半島3部作シリーズで第2作目で、次世代を担う子どもたちの才能を発掘するための3つのプログラムのひとつ【ユースシネマインターン2021】で上映が行われる。

前作『どこでもない、ここしかない』(2018) はバルカン半島のスロベニアと北マケドニアを舞台に、トルコ系マイノリティー社会の風俗と感情を生々しく描いたが、本作ではアジア人の女性バックパッカーの目を通して、バルカン半島の、歴史と変化に翻弄された人々の生活を活写したロードムービーとなっている。見どころの一つである、我々がなかなか訪れることのないクロアチア、モンテネグロの知られざる「絶景」は単に美しい景色である以上に、物語のいくつかの重要なターニングポイントとしての機能も担っている。

(予告編制作: 瀬戸紫英 / ユースシネマインターン2021生)

本作は、準備からクランクアップまで約1ヶ月半。撮影は少人数のスタッフでおこなわれ、リム監督は制作上のあらゆる雑務(宿泊の予約、食事の準備、等々)までを担い、その他、撮影監督が1人、録音技師が1人というチームで制作したという。前作と同様に脚本なし、偶然にまかせ、現地の人々と即興で作られた。

悲しい過去を背負い、その事実と向き合う主人公アデラを演じるのは、2013年度ミスマカオにも選ばれ、マカオでいくつかの短編映画に出演したアデラ・ソーで、本作が長編デビュー作。プロの俳優と素人との境界を感じさせず、素人「俳優」たちが作中で、真にせまる輝いた芝居を魅せることできたのは鋭い洞察力に裏打ちされたリム監督の演出力と言える。

そして今回の「なら国際映画祭 for Youth 2021」での本作上映に際して、宣伝企画・広報活動などのプロモーション活動は“ユースシネマインターン2021生”のメンバーが担当し、フライヤー・予告編映像・ポスター・Webサイトなどの企画から制作やパブリシティまでを行っている。

このプロモーション活動プロジェクトは、映画を支える3つのフィールド“創ること・見ること・魅せること”の“魅せること”の分野で活躍する未来の映画人を育てるための実践型プログラム。リム・カーワイ監督、なら国際映画祭エグゼクティブディレクター 河瀨直美氏、予告編制作会社 株式会社バカ・ザ・バッカ代表の池ノ辺直子氏などの映像制作に携わる業界のプロフェッショナルから直接アドバイスや意見をもらいながらブラッシュアップしていった。

2つ折りフライヤー / ポスター(制作:田邊拓馬 , 瀬戸紫英 / ユースシネマインターン2021生)

フライヤーの企画・制作を担当した田邉拓真氏は、「伝えたいことを伝える難しさを感じた。ユースの皆や監督、映画広告の専門家の方などと意見交換をすることで少しずつ伝えたいことが伝えられるようになっていった」とコメント。予告編映像やポスターの企画・制作を担当した瀬戸紫英氏は、「自分の能力の限界が自然に広がるように、寝ている時も予告編のつなぎのイメージが頭の中で流れたり、ポスターの写真レイアウトが何通りも頭の中で切り替わったりするなど、イメージして考えることを心から楽しめた。自分の人生のロールモデルになるような本物の本気の大人との出会いは、これからの自分の将来のビジョンをより明るいものにしてくれた」、そしてWebサイトの企画・制作を担当した竹島千景氏は、「苦戦しつつも完成することが出来て大きな自信になった」と振り返った。

( “ユースシネマインターン2021生” メンバー)

河瀨氏は「彼らの”まなざし”は、ここから世界に繋がる”タカラモノ”として未来を創ってゆくことでしょう」と本プログラムの意義をコメントしている。また、池ノ辺氏 は「各メンバーは、上映日まで制作物を携えて劇場や新聞社へ連絡を取り、毎日どれだけ多くの人に映画を”魅せること”が出来るかを考えてプロモーション活動を行っているので当日上映まで応援したい」と語る。

映画『いつか、どこかで』は、9月20日(祝・月)東大寺 総合文化センター金鐘ホールにて上映。

開催概要
『なら国際映画祭 for Youth 2021』

奈良の平城遷都1300年目となる2010年から、映画作家の河瀨直美をエグゼクティブディレクターに迎え、2年に1回開催されている国際映画祭。国内外の若手監督と奈良を舞台とした映画制作や、子ども・海外学生とのワークショップ、奈良市内を移動する映画館「ならシネマテーク」など、映画の魅力を伝える数々のプロジェクトを実施。次世代を担う子どもたちのプロジェクトの充実を図り、若き才能あふれる芸術の力で、世界を再び繋げていけるように映画の魅力を発信していく。開催11年目となる今年は『なら国際映画祭 for Youth 2021』と新たな名称に生まれ変わり、会期中は、次世代を担う子どもたちの才能を発掘するための3つのプログラム【ユース映画制作ワークショップ】【ユース映画審査員】【ユースシネマインターン】で映画祭を盛り上げる。

主催:NPO 法人なら国際映画祭

会場:東大寺 総合文化センター金鐘ホール、春日大社

料金:前売券:(一般・学生)1000 円,当日券:(一般)1500 円・(学生)1000 円

2021年9月18日(土)〜 9月20日(祝・月)

公式サイト nara-iff.jp
ユースシネマインターン サイト website-1

作品情報
映画『いつか、どこかで』

アデラは、愛する人との思い出の品物を展示する《別れの博物館》を訪れるため、クロアチアへ向かう。そこには彼女が寄贈した、亡くなった彼氏の残した携帯電話が展示されている。その後、インスタグラムで知り合ったセルビア人のアレックスに会うためにセルビアの首都ベオグラードへ。ところがアレックスは姿を見せない。カタリナが語った1999年におこったボスニア戦争の話から、アデラにはマカオが中国に返還された1999年の、9歳の時の記憶が蘇る。美しい地モンテネグロで、アデラとカタリナは一夜を共にする。その後、ようやく現れたアレックスからは予想もしなかった結末を知らされるのだが、彼女はバルカン半島の旅を続けていく。

プロデューサー・監督・脚本・撮影・編集:リム・カーワイ

出演:アデラ・ソー、カタリナ・ニンコヴ, ピーター・シリカ、ホスニー・チャーニー、マティ・ミロサヴリェヴィッチ

配給:cinema drifters

©  cinema drifters, 2020

2021年9月20日(祝・月)に東大寺 総合文化センター金鐘ホールにて上映

公式サイト somewhensomewhere.themedia.jp/