第92回アカデミー賞モロッコ代表作『モロッコ、彼女たちの朝』が全国公開することを記念し、本作をはじめ夏の旅気分を味わえる映画4作品をご紹介。ぜひ、この機会にご覧ください。
『モロッコ、彼女たちの朝』
モロッコ・カサブランカの小さなパン屋を舞台にふたりの女性が出会い、新しい人生へと歩き出す始まりの物語。
旧市街で暮らす女性たちのリアルな日常生活を描いた本作。その忠実に再現された街並みや家にモロッコをよく知る人も「モロッコにワープさせてくれる映画」と絶賛。モロッコの伝統的なパンや焼き菓子、幾何学模様が美しいインテリアやアラビア音楽が異国情緒を倍増させ、日本から遠く離れた北アフリカの国、モロッコに誘ってくれる。
新星マリヤム・トゥザニ監督が、過去に家族で世話をした未婚の妊婦との思い出をもとに作り上げた長編デビュー作。家父長主義の根強いモロッコ社会で女性たちが直面する困難と連帯を、フェルメールやカラヴァッジョといった西洋画家に影響を受けたという豊かな色彩と光で、美しく描き出した。主演は、『灼熱の魂』のルブナ・アザバルと、日本初紹介のニスリン・エラディが務める。
8月13日(金)から全国公開
『イン・ザ・ハイツ』
変わりゆくニューヨークの片隅に取り残された街、ワシントンハイツを舞台に、真夏に起きた大停電の夜、この街で育った4人の若者の運命が大きく動き出す。トニー賞で4冠を果たしたブロードウェイミュージカルの映画化。
大ヒット公開中で、早くもアカデミー賞®最有力とされる本作の監督を務めるのは、キャストがほぼ全員アジア人にも関わらず全米3週連続第1位を記録し異例の大ヒットとなった『クレイジー・リッチ!』のジョン・M・チュウ。映画ならではのスケールとカラフルな映像美、今日の世界の社会情勢も反映した大胆なアレンジを加え、逆境に立ち向かう人々の絆と若者たちの夢を乗せた、魂を揺さぶる歌と圧巻のスケールのダンスと、彼らの歌が今の世界に響き渡る、新たなミュージカルの名作映画。
現在公開中
『Summer of 85』
1985年の夏、フランス・ノルマンディーの海辺で出会った16歳と18歳の二人の少年のひと夏の初恋を描いた物語。
世界三大映画祭の常連にして、世界中から新作を待ち望まれているフランス映画界の巨匠、フランソワ・オゾン監督の最新作で、原作は、監督が若かりし日に読んで影響を受けたという青春小説の金字塔「おれの墓で踊れ」(徳間書店)。
17歳で本小説と出会い感銘を受けたフランソワ・オゾン監督が、約35年の時を経て「世界共通のラブストーリー」として映像化。当時の感情を投影しながら、誰しもに訪れる初恋の衝動を圧巻の映像美と巧みな演出で表現し、”愛の原点”に辿り着いた。
第73回カンヌ国際映画祭でオフィシャルセレクションに選出され、「病的なまでにロマンチック」(The Guardian)、「スタイリッシュ且つ繊細」(Times)、「激しくも感動的な物語」(Screen International)など、海外誌で絶賛が相次ぎ、多くの映画人を魅了している。
8月20日(金)から全国公開
『テーラー 人生の仕立て屋』
ギリシャ・アテネで36年間、高級シーツの仕立て屋を父と営んでいたニコス。店は不況で差し押さえられ、可動式のスーツの仕立屋を営む彼のもとに、思いがけずウェディングドレス作りのオファーが舞い込む。一歩を踏み出した生真面目な仕立て屋が作る色とりどりのドレスが、新たな出会いと幸せを繋いでいく。希望溢れる感動作。
本国ギリシャの映画祭で三冠達成し、そのほか世界中の映画祭にて受賞されるなどの話題となった本作の監督・脚本を務めたのは次世代のアキ・カウリスマキとも期待される新鋭の女性監督、ソニア・リザ・ケンターマン。主演はギリシャで活躍する俳優、ディミトリス・イメロス。コミカルな表情や洗練されたセリフの間の取り方がまさにジャック・タチを彷彿させる、と評されているベテラン俳優で、不器用に生きる主人公を丁寧に、かつユーモアたっぷりに演じ切った。
物語の節々に織り込まれるのは、厳しい社会情勢の中で懸命に生きる人々の温かい繋がりや、困難を共に乗り越えるしなやかな強さ。変化を受け入れ、前向きに生きるためのヒントが詰まった、希望に満ちた感動の逸品。
9月3日(金)から全国公開
臨月のお腹を抱えてカサブランカの路地をさまようサミア。イスラーム社会では未婚の母はタブー。美容師の仕事も住まいも失った。ある晩、路上で眠るサミアを家に招き入れたのは、小さなパン屋を営むアブラだった。アブラは夫の死後、幼い娘のワルダとの生活を守るために、心を閉ざして働き続けてきた。パン作りが得意でおしゃれ好きなサミアの登場は、孤独だった親子の生活に光をもたらす。商売は波に乗り、町中が祭りの興奮に包まれたある日、サミアに陣痛が始まった。生まれ来る子の幸せを願い、養子に出すと覚悟していた彼女だが・・・。
監督・脚本:マリヤム・トゥザニ
出演:ルブナ・アザバル、ニスリン・エラディ
配給:ロングライド
© Ali n’ Productions – Les Films du Nouveau Monde – Artemis Productions
8月13日(金) TOHOシネマズシャンテほか全国公開
公式サイト longride.jp/morocco-asa/
“何度でも立ち上がる”――感動のミュージカル
ニューヨーク・“ワシントン・ハイツ”は、いつも音楽が流れる、実在する移民の街。その街で育ったウスナビ、ヴァネッサ、ニーナ、ベニーはつまずきながらも自分の夢に踏み出そうとしていた。ある時、街の住人たちに住む場所を追われる危機が訪れる。これまでも様々な困難に見舞われてきた彼らは今回も立ち上がるが―。突如起こった大停電の夜、街の住人達そしてウスナビたちの運命が大きく動き出す。
監督:ジョン・M・チュウ
出演:アンソニー・ラモス、コーリー・ホーキンズ、レスリー・グレイス、メリッサ・バレラ、オルガ・メレディス
配給:ワーナー・ブラザース映画
© 2020 Warner Bros. All Rights Reserved.
1985年夏、フランス・ノルマンディーの海辺。セーリングを楽しもうとヨットで一人沖に出た16歳のアレックスは、突然の嵐に見舞われ転覆してしまう。ヨットで近くを通りかかった18歳のダヴィドに助けられ、運命の出会いを果たした二人は急速に惹かれ合い、友情を超えやがて恋愛感情で結ばれるようになる。互いに深く想い合う中、ダヴィドの提案によって「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てる。しかし、一人の女性の出現を機に、恋焦がれた日々は突如終わりを迎え、嫉妬に狂うアレックスとは対照的に、その愛情の重さにうんざりするダヴィド。二人の気持ちはすれ違ったまま、追い打ちをかけるように事故が発生し、ダヴィドは帰らぬ人となってしまう。悲しみと絶望に暮れ、生きる希望を失ったアレックスを突き動かしたのは、ダヴィドとあの夜に交わした誓いだった─。
監督・脚本:フランソワ・オゾン
原作:「おれの墓で踊れ」(徳間書店)
出演:フェリックス・ルフェーヴル、バンジャマン・ヴォワザン、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、メルヴィル・プポー
配給:フラッグ、クロックワークス
© 2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINÉMA–PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES
8月20日(金) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国公開
公式サイト summer85.jp
人生は測れないから面白い。
アテネで36年間、高級スーツの仕立て屋店を父と営んできた寡黙なニコス。だが不況で店は銀行に差し押さえられ、父は倒れてしまう。崖っぷちのニコスは店を飛び出し、手作りの移動式屋台で仕立て屋を始める。だが道端で高級スーツは全く売れず、商売は傾く一方・・・。そんな時、思いがけないオファーがくる。「ウェディングドレスは作れる?」これまで紳士服一筋だったニコス。思い切ってオーダーメイドのドレス作りを始めるが―!?一歩を踏み出した生真面目な仕立て屋。彼が作る色とりどりのドレスが、新たな出会いと幸せを繋いでいく、希望溢れる感動作!
監督・脚本:ソニア・リザ・ケンターマン
出演:ディミトリス・イメロス、タミラ・クリエヴァ
配給:松竹
© 2020 Argonauts S.A. Elemag Pictures Made in Germany Iota Production ERT S.A.
9月3日(金) 新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開