Nov 14, 2025 news

原作:湊かなえ×監督:瀬々敬久 いちばん嘘つきなのは“未来のわたし” 罪と希望のミステリー 映画『未来』

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湊かなえの集大成と評された同名小説を実写化した、映画『未来』。この度、本作の特報映像とティザービジュアルが公開された。

複雑な家庭環境で育ちながらも、教師になる夢を叶えた真唯子。彼女の教え子・章子のもとにある日、一通の手紙が届く。差出人は“20年後のわたし”。返事を書くことで、父の死や、心を閉ざした母との孤独な日々に耐えていた章子だが、母の恋人からの暴力、いじめ、そして信じがたい事実に追い詰められていく。絶望の果て、禁断の計画を立てる章子。そんな章子を救おうとする真唯子は、社会の理不尽さに押しつぶされそうになりながら、それでも手を差し伸べようとするが‥‥。

原作は、『告白』『母性』『白ゆき姫殺人事件』など、次々と映画化作品を生み出してきた湊かなえの同名小説。人間関係の闇や社会の矛盾を、容赦ない描写と巧みなストーリーテリングで一級のミステリーとして紡いできたその手腕は、本作でも存分に発揮されている。監督は、『ラーゲリより愛を込めて』『護られなかった者たちへ』など、話題作を次々に送り出してきた瀬々敬久。社会の現実と人間の情を深く見つめ続けてきた名匠が、湊かなえが描く“罪と希望の物語”に新たな息を吹き込み、観る者に深い共感と問いを投げかける。

教え子に手を差し伸べようとする教師・篠宮真唯子を黒島結菜、「未来のわたし」からの手紙を受け取る少女・佐伯章子を山﨑七海が演じ、共に『ラーゲリより愛を込めて』に続いて瀬々作品への参加となる松坂桃李と北川景子が、物語の核心に関わる重要な役どころとして確かな存在感を放つ。さらに、真唯子の恋人を坂東龍汰、真唯子や章子の人生に大きな影響を与える人物を、細田佳央太と近藤華が演じている。

この度公開された特報映像は、不安げにも、どこか清々しさも感じさせる表情の真唯子に「この世界は狂ってます」というナレーションが重なり、冒頭から不穏な空気に包まれている。「未来のわたし」から手紙を受け取った章子を襲う過酷な現実の数々。その送り主に向けて、「どうして私がこんな目に遭うのか、あんたが本物なら知ってるよね?」と憤りをぶつける章子の声が響く。やがて、章子がくだす決断とは‥‥。