熊本県水俣市のチッソ水俣工場による工業排水を原因とし、現在まで補償や救済をめぐる問題が続く日本における“四大公害病”のひとつ水俣病。その存在を世界に知らしめたのが、写真家ユージン・スミス氏とアイリーン・美緒子・スミス氏が1975年に発表した写真集「MINAMATA」。彼の遺作ともなった写真集を基に、ユージン氏が長年の憧れだったと語るジョニー・デップ自身の製作/主演で映像化した映画『MINAMATA―ミナマター』。
「私にとって一番の挑戦は実在人物を演じる責任だった」とジョニー自身が本作を振り返るweb限定の予告映像が公開された。
映画では、報道写真家として功績を評価されながらも心に傷を抱えたユージン氏が、当時の妻アイリーン氏とともに水俣を訪れ1971年から1974年の3年間現地で暮らし、人々の日常や抗議運動、補償を求め活動する様子を何百枚もの写真に収めていく濃密な日々がドラマチックに描かれる。
共演はビル・ナイ、日本から真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子、など実力派キャストが集結。音楽を手掛けたのは坂本龍一。公開に先駆け、いち早くジョニー・デップの演技を堪能した人たちからは「ジョニー・デップだからこそできた作品」、「いい意味でジョニーがジョニーに見えない」といった声が上がっている。
クセが強めながらも世界中で愛される数々のキャラクターから、色気すら漂うアウトローまで、作品ごとにまったく異なる表情を見せ”カメレオン俳優”とも評されているジョニー。今回、主演だけでなくプロデューサーとして製作にも携わることを熱望した彼は、長年憧れだったユージンの遺志を引き継ぎ、まさに今の時代につくられるべき作品だと明言する。
ジョニーの長年の友人であり、ビジネスパートナーでもある製作のサム・サカールは「私は人生のほとんどで、彼が素晴らしいキャラクターを生み出すのを見てきた。だが、本作での彼は、そんな私まですっかり驚かせてくれた」と感嘆の声をあげる。
映画『MINAMATA―ミナマター』は、9月23日(木・祝)よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開。
1971年、ニューヨーク。アメリカを代表する写真家の一人と称えられたユージン・スミスは、今では酒に溺れ荒んだ生活を送っていた。そんな時、アイリーンと名乗る女性から、熊本県水俣市にあるチッソ工場が海に流す有害物質によって苦しむ人々を撮影してほしいと頼まれる。水銀に冒され歩くことも話すことも出来ない子供たち、激化する抗議運動、それを力で押さえつける工場側。そんな光景に驚きながらも冷静にシャッターを切り続けるユージンだったが、ある事がきっかけで自身も危険な反撃にあう。追い詰められたユージンは、水俣病と共に生きる人々にある提案をし、彼自身の人生と世界を変える写真を撮る──。
製作:ジョニー・デップ
監督:アンドリュー・レヴィタス
原案:写真集「MINAMATA」W.ユージン・スミス、アイリーンM.スミス(著)
音楽:坂本龍一
出演:ジョニー・デップ、真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子、 ビル・ナイ
配給:ロングライド、アルバトロス・フィルム
© 2020 MINAMATA FILM, LLC
2021年9月23日(木・祝) TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開
公式サイト longride.jp/minamata