Apr 27, 2022 news

天才ポール・トーマス・アンダーソン最新作 映画『リコリス・ピザ』 誰もが思い出にある美男美女ではない普遍的な青春群像

A A
SHARE

世界三大映画祭であるカンヌ、ヴェネチア、ベルリンすべてで監督賞受賞と伝説をつくり、常に世界中の映画ファンが新作を心待ちにしている天才監督ポール・トーマス・アンダーソン。その最新作が映画『リコリス・ピザ』だ。
本年度のアカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞にノミネートされ、オリジナル脚本の完成度の高さ、細かな脇役に至るまで行き届いた演出が高く評価されている。

舞台は1970年代のハリウッド近郊、サンフェルナンド・バレー。実在の俳優やプロデューサー、実際の出来事を背景にアラナとゲイリーが偶然に出会い、すれ違い、歩み寄っていく恋模様を描き出す。

主演は三姉妹バンド「ハイム」の三女であるアラナ・ハイムとポール・トーマス・アンダーソン監督の盟友フィリップ・シーモア・ホフマンの息子であるクーパー・ホフマン。
ともに本作で鮮烈な映画デビューを飾り、主演女優賞やブレイクスルー賞を総なめにした。
共演にショーン・ペン、トム・ウェイツ、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サフディとレジェンドが集結しているのも見逃せない。また、ふたりの感情に寄り添う音楽を手掛けたのは「レディオ・ヘッド」のジョニー・グリーンウッド。

セット、小道具、ファッション、ヘアスタイルなど、ポール・トーマス・アンダーソン監督は完璧に70年代を再現した。それぞれに監督のこだわりがぎっしり詰めこまれ、その再現度に誰もがノスタルジックな気持ちを思い出すだろう。

高校の写真撮影でゲイリーとアラナ・ケインの2人は出会う。その出会いのシーンについて、湧き立つような輝きを「”メイク無し”という厳格なルール」でとらえたと、監督は語る。
「1973年のサンフェルナンド・バレーを舞台に、15歳のティーンたちを撮るのであれば、それ(メイク)はなんの意味ももちません。もしメイクをするとしたら、登場人物に必要があって自分自身でメイクをする場合のみ。」と、通常の映画制作で行われるメイクを一切行わず、キャストの「不完全で複雑な」人間的な輝きを映し出したことを明かした。

他にも、ピンボール店でレトロなファッションに身を包んだ若者たちや、廃れた街に輝くネオン、オレンジ色のフォードのトラック、細やかに当時の雰囲気が再現されたレストランなど70年代を感じされるアイテムにあふれており、散りばめられた当時の音楽やファッション、そして恋の痛みと嬉しさに溢れる主人公たちの姿に、誰もが”あの頃の気持ち”と”映画の楽しさ”を思い出さずにいられない。

映画『リコリス・ピザ』は7月1日(金)より全国公開。

作品情報
映画『リコリス・ピザ』

舞台は1970年代のロサンゼルス、サンフェルナンド・バレー。実在の人物や出来事を背景にアラナとゲイリーが偶然に出会ったことから、歩み寄りすれ違っていく恋模様を描き出す。

監督・脚本・撮影:ポール・トーマス・アンダーソン

出演:アラナ・ハイム、クーパー・ホフマン、ショーン・ペン、トム・ウェイツ、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サフディ

配給:ビターズ・エンド、パルコ

© 2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.

2022年7月1日(金) 全国公開

公式サイト licorice-pizza.jp