イタリア文学界の最高峰・ストレーガ賞を受賞したチェーザレ・パヴェーゼの名作を映画化し、第77回ロカルノ国際映画祭やイタリア映画祭2024でも観客を魅了した、映画『美しい夏』。この度、本作の本予告映像とポスタービジュアルが公開された。

パヴェーゼが1940年に執筆した傑作小説を現代に蘇らせたのは、イタリアの女性監督ラウラ・ルケッティ。戦争の影が静かに迫る中、ジーニアとアメーリアという対照的な2人を通して、少女が少しずつ大人になっていく過程を繊細に映し出している。


ジーニア役には、『墓泥棒と失われた女神』などアリーチェ・ロルヴァケル作品常連の実力派イーレ・ヴィアネッロ。その繊細で等身大の演技は、本作でも瑞々しく発揮されている。一方、アメーリアを演じたのは、モニカ・ベルッチとヴァンサン・カッセルを両親に持ち、ディオールのアンバサダーも務める新星、ディーヴァ・カッセル。本作で本格的な女優デビューを果たした彼女は、モデルとして培った表現力を武器に、自由奔放でカリスマ的なアメーリア像を鮮やかに体現している。


この度公開された本予告映像は、「あのころはいつもお祭りだった。」という原作の書き出しとともに、夏の午後の湖畔にジーニアと友人たちが集う中、アメーリアが彼女らの前に初めて姿を現す印象的な出会いのシーンから幕を開ける。対照的な2人は街で再会を果たし、やがて交流が始まっていく。アメーリアに導かれるまま、ジーニアは刺激に満ちた日々に胸を躍らせていく。「軽薄な男たちといるより 女同士の方がいい」というアメーリア、彼女との付き合いを快く思わない兄、アトリエで出会った画家の青年たち。変わりゆく日常に夢中になるあまり、ジーニアは仕事が手につかなくなり、「もう何も分からない」と自分自身の輪郭を見失っていく‥‥。青春の輝きと痛みを瑞々しく切り取った映像に期待が高まる。

映画『美しい夏』は、2025年8月1日(金)より全国順次公開。

1938年、田舎からトリノに出て、お針子として洋裁店で働く16歳の少女ジーニアは、3つ年上の美しく自由なアメーリアと出会う。画家のモデルとして生計を立てる彼女によって芸術家たちが集う新たな世界への扉を開かれ、ジーニアは大人の階段を上り始める。思春期真っただ中のジーニアと、既に自立した女性としてたくましく生きるアメーリアの2人が、互いの姿に自分の未来/過去を映しながら、徐々に惹かれ合っていく。
監督・脚本:ラウラ・ルケッティ
原作:『美しい夏』チェーザレ・パヴェーゼ作 河島英昭訳(岩波書店)
出演:イーレ・ヴィアネッロ、ディーヴァ・カッセル
配給:ミモザフィルムズ
©2023 Kino Produzioni, 9.99 Films
©foto di Matteo Vieille
2025年8月1日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMA、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
公式サイト labellaestate