小説家・佐藤泰志の自身が自律神経失調症を患い、療法として始めたランニング経験をもとに書いた短編小説が映画化された映画『草の響き』。数々の映画賞を受賞し話題を呼んだ『きみの鳥はうたえる』(18)に続き、5作目の映画化となる。1979年に発表された原作を現代に置き換え、光あふれる函館の風景のなかで映像化された本作は、心に失調をきたした男が治療のためにひたすら同じ道を走るなかで、心の平穏を取り戻す物語。
心を病み、ランニングに没頭する和雄役を演じたのは、『寝ても覚めても』(18)以来三年ぶりの主演作となる東出昌大。常に危うい雰囲気を漂わせながら、走ることで徐々に再生していく男の変化を細やかな身体表現で体現した。慣れない土地で不安に苛まれながらも夫を理解しようと努める妻・純子役は、『先生、私の隣に座っていただけませんか?』(21)、『君は永遠にそいつらより若い』(21)、『マイ・ダディ』(21)など出演作が続く、いま注目の奈緒。ふたりの俳優の繊細な演技によって、原作にはなかった夫婦の崩壊と再スタートというテーマが立ち上がった。
この度、本予告映像とメインビジュアルが公開された。
監督は『空の瞳とカタツムリ』(18)、『なにもこわいことはない』(13)の斎藤久志。何かを追い求めるように黙々と走り続ける男の姿を通して、死に引き寄せながらも懸命に生きようとする人間の生の輝きをまざまざと描きだす。
映画『草の響き』は、10月8日(金)より新宿武蔵野館・ヒューマントラストシネマ有楽町 / 渋谷ほか全国公開。
心に失調をきたし、妻とふたりで故郷函館へ戻ってきた和雄。病院の精神科を訪れた彼は、医師に勧められるまま、治療のため街を走り始める。雨の日も、真夏の日も、ひたすら同じ道を走り、記録をつける。そのくりかえし のなかで、和雄の心はやがて平穏を見出していく。そんななか、彼は路上で出会った若者たちとふしぎな交流を持ち始めるが…。
監督:斎藤久志
原作:佐藤泰志 「草の響き」( 「きみの鳥はうたえる」所収/ 河出文庫刊)
出演:東出昌大、奈緒、大東駿介、Kaya、林裕太、三根有葵、利重剛、クノ真季子 / 室井滋
配給:コピアポア・フィルム、函館シネマアイリス
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2021年10月8日(金) 新宿武蔵野館・ヒューマントラストシネマ有楽町 / 渋谷ほか全国公開
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