May 02, 2025 news

実話に基づく物語を映画化 終戦を知らない2人の兵士は、木の上でどのように2年間を生き抜いたのか 映画『木の上の軍隊』

A A
SHARE

1945年、沖縄県伊江島で激しい攻防戦が展開される中、2人の日本兵が木の上に身を潜め、終戦を知らずに2年もの間生き延びた。そんな衝撃の実話から着想を得た作家・井上ひさし原案の舞台を映画化する『木の上の軍隊』。この度、本作の第2弾予告編映像が公開された。

舞台は、戦況が悪化の一途を辿る太平洋戦争末期の沖縄県伊江島。島に上陸した米軍の銃撃から逃れ、命からがら身を潜めたガジュマルの木の上で、終戦を知らず2年もの間生き抜いた2人の兵士。まわりに他の生存者はなく、たった2人で樹上の生活を送ることになった山下と安慶名。周囲にアメリカの陣地が広がっていく中、飢えに苦しみながらも、食糧となるもの探し命を繋ぎ、日本軍の勝利を信じていた2人だったが‥‥。

宮崎から派兵された厳格な少尉・山下を演じるのは、堤真一。沖縄出身の新兵・安慶名役に抜擢されたのは、山田裕貴。監督と脚本を手掛けるのは、『ミラクルシティコザ』のスマッシュヒットが記憶に新しい沖縄出身の新進気鋭・平一紘。全編沖縄ロケが敢行され、伊江島では実際に生い茂るガジュマルの木の上で撮影が行われた。

完成した本作を見た堤は「あまり冷静に観ることができなかったけれど、自分たちが演じたにも関わらず、リアルに感じることができ、リアルなものが見られた」と語り、山田も「『生きよう』『明日も頑張ろう』と思える映画になったと思う」と本作への自信を覗かせる。

そして「沖縄の悲惨な戦争の物語ではあるけれど、2人の生き方の違いが、ひとつの“生きる”という方向に向いていく。もう戦争を経験している方はほとんどいないけれど、それを伝えていかなければいけないものとして観てもらいたい」(堤)、「子どもから大人まで観られる作品になっているので、家族や友達と観て、『生きてる』って素晴らしいことなんだよという話をしながら、一度過去に何があったかを見つめてみる、そういうことが出来る作品になったと思う。」(山田)と、後世に語り継ぎたい作品であることをそれぞれ熱く語った。

また、この度、本作の主題歌が、伊江島で生まれ育ったシンガーソングライター Anlyが奏でる楽曲「ニヌファブシ」に決まったことが、あわせて発表された。

▼Anly コメント
私の今までのキャリアは、”『木の上の軍隊』の主題歌を書く”という使命に繋がっていたのだと思います。私は伊江島に生まれ育ちました。穏やかな島の風景の端々に影を感じるときがあります。戦争の傷跡は人の心、自然、建造物、あらゆる所に80年経った今も残っています。それらは命が繋がれた奇跡と家族への感謝も思い出させます。

今回の楽曲制作では相手を理解しようとする姿勢や、共に考える仲間がいるから様々な視点で物事を捉えることができることを学びました。それは平和への一歩だと思いました。ニーバンガジュマルは、映画を通して多くの人の心の中で枯れることなく想いを守り続けていくでしょう。いつも同じ場所にある北極星のように、平和への想いを胸に灯し、私は歌い続けます。

映画『木の上の軍隊』は、2025年6月13日(金)より沖縄先行公開。7月25日(金)より全国ロードショー。

作品情報
映画『木の上の軍隊』

1945年太平洋戦争末期。沖縄・伊江島で日本軍は米軍との激しい交戦の末に壊滅的な打撃を受けていた。宮崎から派兵された上官・山下一雄、地元沖縄出身の新兵・安慶名セイジュンは敵の激しい銃撃に追い詰められ森の中に逃げ込み、大きなガジュマルの木の上へ登り身を潜める。太い枝に葉が生い茂るガジュマルの木はうってつけの隠れ場所となったが、木の下には仲間の死体が増え続け、敵軍陣地は日に日に拡大し近づいてくる。連絡手段もなく、援軍が現れるまで耐え凌ごうと彼らは終戦を知らぬまま2年もの間、木の上で“孤独な戦争”を続けていた。やがて極限状態に陥った二人は‥‥。

監督・脚本:平一紘

原作:「木の上の軍隊」(株式会社こまつ座・原案 井上ひさし)

出演:堤真一、山田裕貴

配給:ハピネットファントム・スタジオ  

©2025「木の上の軍隊」製作委員会

2025年6月13日(金) 沖縄先行公開
2025年7月25日(金) 新宿ピカデリー他全国ロードショー

公式サイト happinet-phantom.com/kinouenoguntai/