イタリアの巨匠ナンニ・モレッティがプロデューサーを務め、第81回ヴェネツィア国際映画祭にて最優秀イタリア映画賞(アルカ・シネマ・ジョヴァーニ部門)およびFEDICアワード最優秀作品賞をダブル受賞した、映画『ヴィットリア 抱きしめて』。このたび本作の日本での劇場公開が決定した。
2016年、ナポリに暮らす一家が新しい家族を国際養子縁組で迎え入れる実話から誕生した本作。最大の特徴は、主人公ジャスミンや夫リーノをはじめとする主要キャラクターを、俳優ではなく本人自身が演じている点にある。その堂々とした演技とカメラ映えする存在感は際立ち、演じることで改めて家族の問題に向き合っていくという、虚実が入り交じる驚きの二重構造となっている。
監督を務めるのは、ドキュメンタリー作家のアレッサンドロ・カッシゴリと、ジャーナリストのケイシー・カウフマンのコンビ。ナポリの日常や情景を鮮やかに記録しながら、養子縁組に取り組む親側の葛藤や複雑なプロセスをストーリーに組み込んだ。亀裂の入った一家が、赦し合ってより強固な「家族」になっていく過程と、まったく血のつながりがない子どもを新たに「家族」として迎え入れる過程を同時進行で描き、ヴェネツィア国際映画祭をはじめ、世界各国で作品賞や脚本賞を受賞、「驚きに満ちた、感動的な結末」「エモーショナルで力強い」と絶賛を浴びた。製作を務めたナンニ・モレッティは本作について「プロデュースする時は自分らしくない映画を製作するよう心がけています。カッシゴリとカウフマン両監督が行う、少人数のクルーで迅速かつ質の高い映画作りの手法を気にいっています。美しく、明快で、感動的な作品になりました」とコメントしている。


あわせて公開された予告映像では、主人公のジャスミンが亡き父から少女を託される夢を回想するシーンから始まる。ナポリで夫と3人の息子たちと幸福な家庭を築きながらも、人生にどこか虚しさを感じるジャスミンは、家族の同意を得ないまま「女の子を養子に迎える」と宣言してしまう。しかし、その決断は「ローンも残っているのに」「3人も息子がいるのになぜ」と、夫や息子たちに戸惑いと反発を生む。
「誰が生んだ子だろうと、私が育てれば私の子になるの!」とジャスミンは悲痛に叫ぶが、一家はかつてない緊張に包まれていく。難解な書類、厳しい審査、選べない性別、高額な斡旋料‥‥養子縁組の様々な問題の果てに突きつけられる「究極の選択」。実話から自由に翻案された物語でありながら、本人たちが演じているからこそ滲み出る、一瞬の表情や震える声のリアルさが、観る者の心を揺さぶる。
映画『ヴィットリア 抱きしめて』は、2026年4月10日(金)より全国順次公開。

イタリア・ナポリ南部でヘアサロンを営むジャスミンは、夫と3人の息子に囲まれ、満ち足りた人生を送っていた。しかし40歳を迎えた頃、父の死をきっかけに異変が起きる。金髪の少女を父から託される夢を繰り返し見るようになり、「自分の人生には娘が必要だ」という想いに囚われるようになる。ジャスミンは娘を迎えるために養子縁組を決意するが、イタリアの養子縁組はハードルが高く、性別も選べない。さらに夫と息子の反発で家族が疲弊していく中、一家は大きな決断を迫られる。
監督・脚本:アレッサンドロ・カッシゴリ、ケイシー・カウフマン
出演:マリレーナ・アマート、ジェンナーロ・スカーリカ、ヴィンチェンツィオ・スカーリカ、アンナ・アマート、ニーナ・ロレンツァ・チャーノ
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
©2024 Zoe Films, Sacher Film, Scarabeo Entertainment, Ladoc
2026年4月10日(金) 新宿武蔵野館、HTC 渋谷ほか全国順次公開
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