近年、映画にドラマと、ますます活躍の幅を広げる俳優の柄本佑。2021年に「アクターズ・ショート・フィルム」(WOWOW)にも参加し、主演:森山直太朗の短編『夜明け』を監督を務めたが、実はそれ以前からすでに何本もの短編を自主製作で監督していた。
そんな柄本佑が2017年から2022年のあいだに撮った3本の短編をまとめたものが、映画『ippo』だ。
描かれる物語は独特。下落合のアパートに泊まりにきた友人と過ごす一夜を切り取った『ムーンライト下落合』。とある団地の公園で作業着の男と、その兄がなにやら不思議な会話を繰り広げる『約束』。なかなか描こうとしない画家とそれを待つモデルの男の間に流れる時間を描く『フランスにいる』。
短編3本の原作は、劇団「東京乾電池」に所属し、柄本の旧知の仲であり、ユニット「曖昧なカンパニー」も主宰する劇作家・演出家の加藤一浩。
3本すべてが、男ふたりの物語。ユーモアと知性に溢れた加藤の戯曲に、柄本佑が”映画”という新たな息吹を与えた。
今回、解禁された予告映像を制作したのは、12月16日劇場公開予定の『ケイコ 目を澄ませて』で監督を務めた三宅唱と、同作品の編集も手掛けている大川景子。
予告映像冒頭では、出演している俳優たちの”いい顔”が次々に登場する。
『ムーンライト下落合』で久々に再会する友人ふたりに加瀬亮と宇野祥平。『約束』の兄弟に渋川清彦と柄本時生。『フランスにいる』の画家とそのモデルに加藤一浩と高良健吾。
柄本が自らキャスティングした俳優たちの、他の映画では見たことのない味わい深い表情が優雅な音楽にあわせて映し出される。
真面目で不思議、ユーモラスでセンチメンタル、そしてときに楽しくも不条理なその世界を、ぜひ味わってみては?
『ippo』は、2023年1月7日(土)より渋谷ユーロスペース、1月20日(金)に京都・出町座、1月21日(土)より大阪・シネ・ヌーヴォ、兵庫・元町映画館で上映スタート。以降全国順次公開。
劇作家・演出家の加藤一浩による3本の演劇戯曲を原作に、柄本佑が映画化した短編連作集。
『ムーンライト下落合』2017年/30分
肌寒さを感じる、ある春の深夜。東京・下落合にある長田のアパートに、友人の三上が泊まりにきている。久しぶりの再会だ。眠れぬ夜を過ごすふたりは、互いのいまを探り合うように会話を続ける。出演:加瀬亮、宇野祥平
『約束』2022年/27分
梅雨どきのある日。昔ながらの団地の一角の広場に、ふたりの兄弟がいる。スーツ姿の兄と作業着姿の弟。ふたりはどうやらお金に困っている様子なのだが‥‥。出演:渋川清彦、柄本時生、西村順乃介、西村廉乃介
『フランスにいる』2019年/17分
フランスの、ある田舎町。一人旅をする日本人の男と、同じく日本人の画家。画家はいままさに、自分のアトリエで男の肖像画を描こうとしている。全編 iPhoneで撮影された1本。出演:高良健吾、加藤一浩
監督・脚色・編集:柄本佑
配給:ブライトホース・フィルム
© がらにぽん
2023年1月7日(土) 全国順次公開
公式サイト https://ippo.brighthorse-film.com