May 10, 2024 news

震災と原発事故から13年。喪失と絶望の中で生きる人々と、それを支える医療従事者たちのドキュメンタリー 映画『生きて、生きて、生きろ。』

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映画『ちょっと北朝鮮まで行ってくるけん。』で第76回毎日映画コンクールドキュメンタリー部門にノミネートされた島田陽磨監督の最新作、映画『生きて、生きて、生きろ。』が公開される。

2011年3月11日に発生した、東日本大震災。震災と原発事故から13年。福島では、時間を経てから発症する遅発性PTSDなど、こころの病が多発していた。若者の自殺率や児童虐待も増加。メンタルクリニックの院長、蟻塚亮二医師は、連日多くの患者たちと向き合い、その声に耳を傾ける。連携するNPO こころのケアセンターの米倉一磨さんも、こころの不調を訴える利用者たちの自宅訪問を重ねるなど日々、奔走していた。

津波で夫が行方不明のままの女性、原発事故による避難生活中に息子を自死で失い自殺未遂を繰り返す男性、避難生活が長引く中、妻が認知症になった夫婦など、患者や利用者たちのおかれた状況には震災と原発事故の影響が色濃くにじむ。

かつて沖縄で沖縄戦の遅発性PTSDを診ていた蟻塚医師は、福島でも今後、同じケースが増えていくのではと考えていた。ある日、枕元に行方不明の夫が現れたと話す女性。「生きていていいんだ、という希望を持った時に人は泣ける」と話す蟻塚医師。米倉さんは、息子を失った男性にジンギスカンを一緒に焼くことを提案。やがてそれぞれの人々に小さな変化が訪れていく。

喪失と絶望の中で生きる人々とともに生きる医療従事者たちの姿を記録した本作に、ライターの武田砂鉄、NPO法人Dialogue for People 副代表/フォトジャーナリストの安田菜津紀、俳優・タレントのサヘル・ローズらがコメントを寄せた。

また、本作は「UDCast」方式による視覚障害者用音声ガイド、聴覚障害者用日本語字幕に対応している。