甚大な被害を生じた地震から8カ月後、豪雨という再びの災害に見舞われた能登を描いたショートフィルム『生きがい IKIGAI』の予告映像が公開された。

能登半島地震の震源域に近く地震で大きな被害があった奥能登地域を襲った2度目の災害。演出家として国内外で幅広い作品を手がける宮本亞門は、能登でのボランティア活動に参加、想像を超える被害と復興の遅れを目の当たりにした。本作は、宮本が地元の人々の声を聞き、言葉に触れ、復興の想いを募らせることから生まれたショートフィルム。
主演を務めるのは1972年「劇団四季」に入団、「ジーザス・クライスト・スーパースター」で主演デビュー後、人気を博し、退団後は舞台だけにとどまらず、映画やテレビドラマで活躍する、石川県出身の鹿賀丈史。信三の妻・美智子を演じるのは、能登を舞台にした連続テレビ小説『まれ』に出演、世界で一番好きな海は能登であり、能登を第二の故郷だと語る常盤貴子。
そのほか、共演には、信三の心を開くボランティアの青年役に小林虎之介。信三の甥・尚文役には、津田寛治。ボランティアセンターの上田役を根岸季衣が演じる。
また、本作は、映画の撮影のメイキングをきっかけに訪れた能登で、人々の声を収めるうちにドキュメンタリー作品として生まれた『能登の声 The Voice of NOTO』(監督・編集:⼿塚旬⼦)と併映にて上映される。
【コメント】
▼鹿賀丈史
昨年の元旦に能登地方を襲った大地震、そしてその後に起こった水害、この2つの災害に能登の人々がどれだけ心をまたカラダを痛めつけられているのかと思うと気が気ではありませんでした。そういう想いをしている時に、宮本亞門さんから、能登の現状やそこに生きる人を描いたショートフィルムを撮りたいというお話を頂き、即参加したいという意思を伝えました。少しでもこのショートフィルムで能登の方々が、元気になってもらえたらと思い撮影に挑みました。撮影自体は亞門さんの想いの強さもあり、丁寧に丁寧に撮影を重ねました。このショートフィルムを通じて、観ていただいた方が少しでも強く生きていくということを感じていただけたら、これ以上幸いなことはありません。
▼常盤貴子
宮本亞門さんが能登のために立ち上がってくださる。私にできることがあるなら何でもしたいと思いました。とてつもなく明るく、いつもあたたかく、愛に溢れた現場でした。それもそのはず。スタッフも、キャストも、みんながみんな、能登を思っての参加だったから。亞門監督、今の能登を撮影してくださり、ありがとうございます。今しか撮れないこの景色を胸に、復興へ向かって歩んでいきたいと思います。
▼宮本亞門(【監督・脚本・企画)
能登の被災者が「元旦の震災、今度はこれか。まだ頑張らなきゃいかんのか」と語り、現地の女性が「突然、やることも目標も消える…こんなに辛いことはない」と呟いた言葉に、深いやるせなさを感じました。だから私は願います。命ある限り、諦めないでほしい。1日1日を生き抜けば、きっと希望が見える。その思いで30年ぶりにメガホンを取りました。この作品が、皆さんが「生きがい」を見つめ、心にそっと寄り添えますように。
ショートフィルム『生きがい IKIGAI』は、2025年6月20日(金)より石川県先行公開。7月11日(金)より他順次公開。

災害により心を閉ざした一人の男が再び生きることに目を向けていく希望の物語。
脚本・監督・企画:宮本亞門
出演:鹿賀丈史、根岸季衣、小林虎之介、津田寛治、常盤貴子
同時上映:ドキュメンタリー「能登の声 The Voice of NOTO」(監督・編集:⼿塚旬⼦)
配給:スールキートス
©︎ 「生きがい/能登の声」フィルムパートナーズ
2025年6月20日(金) 石川県先行公開
2025年7月11日(金) シネスイッチ銀座 他順次公開
公式サイト ikigai-movie