第74回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式出品された、A24製作作品、映画『テレビの中に入りたい』が日本公開される。あわせて、本作の予告映像とポスタービジュアル2種が公開された。


本作は、90年代のアメリカ郊外を舞台に、自分のアイデンティティにもがく若者たちの“自分探し”を描くメランコリック・スリラー。
第74回ベルリン国際映画祭パノラマ部門のほか、数々の映画祭で上映されると「唯一無二の傑作」「この映画を表すなら“リンチ的”という言葉を使いたい」などと絶賛され、全米公開時には熱狂する若者たちが続出。公開から1周年記念で新たなグッズが発売されるなど、続々と“中毒者”を生み出し続けている。
郊外での日々をただやり過ごしているティーンエージャーのオーウェンにとって、謎めいた深夜のテレビ番組「ピンク・オペーク」は生きづらい現実世界を忘れさせてくれる唯一の居場所だった。同じくこの番組に夢中になっていたマディとともに、2人は次第に番組の登場人物と自分たちを重ねるようになっていく。
公開された予告映像では、ロサンゼルスを拠点に活動するアーティストyeuleによる楽曲「Anthems For A Seventeen Year-Old Girl」とともに、テレビ番組「ピンク・オペーク」をきっかけに出会うオーウェンとマディや2人の閉塞感を感じさせるやりとり、「ピンク・オペーク」の幻想的なシーンやブラウン管が燃える様子など、現実世界とテレビの世界が映し出される。
あわせて公開されたポスタービジュアルは、本国版と同じく暗闇に光るテレビの中に今にも飛び込みそうな主人公・オーウェンの背中が印象的なビジュアルのほか、日本オリジナル版も公開された。日本オリジナル版のイラストを担当したのは、若い世代を中心に人気を集めるアーティスト、雪下まゆ。デザインは、両ビジュアルともに、大島依提亜が担当した。
【コメント】
▼大島依提亜
映画好きならピンとくるであろう80〜90年代の映画への目配せも感じる本国のビジュアルに加えて、卓越した画力もさることながら、この映画に共鳴するかのような作品を発信し続けている雪下まゆさんの絵と、二つで一つのポスターで構成したい。初見で観ている時に思ってました。幸運にも雪下さんにご快諾頂き、見事にこの映画の世界観を表現して下さいました。映画に限らず世界が“強い物語”を求められているこの時代において、取りこぼされてしまった無数の小さくて大切な何か。それら全てが、暗闇に淡く──しかし虹彩の輪郭をくっきりと浮かび上がらせては爆ぜるシャボン玉のようなこの映画に心を撃ち抜かれました。今年パワフルな映画を浴びてきた人にこそ観てほしい傑作です。
▼雪下まゆ
10代の頃の自分は、周囲にうまく馴染めず、絵を描くことに逃げ場を求めていた。この映画は、当時の自分のような若い世代や、似たような青年時代を過ごした大人にこそ観てほしいと思った。歳を重ね、周囲に擬態する術を身につけた自分を、主人公に重ねて観ていた。
映画『テレビの中に入りたい』は、2025年9月26日(金)より全国公開。

毎週土曜日22時半。謎めいた深夜のテレビ番組「ピンク・オペーク」は生きづらい現実世界を忘れさせてくれる唯一の居場所だった。ティーンエイジャーのオーウェンとマディはこの番組に夢中になり、次第に番組の登場人物と自分たちを重ねるようになっていく。しかしある日マディは去り、オーウェンは一人残される。自分はいったい何者なのか?知りたい気持ちとそれを知ることの怖さとのはざまで、身動きができないまま、時間だけが過ぎていく。
監督&脚本:ジェーン・シェーンブルン
出演:ジャスティス・スミス、ジャック・ヘヴン、ヘレナ・ハワード、リンジー・ジョーダン
配給:ハピネットファントム・スタジオ
© 2023 PINK OPAQUE RIGHTS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2025年9月26日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
公式サイト a24jp