Aug 09, 2023 news

『野火』『斬、』に続く塚本晋也監督最新作 主演は趣里 共演に森山未來 映画『ほかげ』

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第80回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門への正式出品が決定した塚本晋也監督の最新作、映画『ほかげ』の予告映像とポスタービジュアルが公開された。

『鉄男』(1989)でのセンセーショナルな劇場デビュー以後、世界中に熱狂的ファンを持ち、多くのクリエイターに影響を与えてきた塚本晋也。戦場の極限状況で変貌する人間を描いた『野火』(2014)、太平の世が揺らぎ始めた幕末を舞台に生と暴力の本質に迫った『斬、』(2018)、本作ではその流れを汲み、戦争を民衆の目線で描き、戦争に近づく現代の世相に問う。

主演は、2023年後期のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』のヒロインに抜擢され、今最も活躍が期待されている俳優、趣里。孤独と喪失を纏いながらも、期せずして出会った戦争孤児との関係にほのかな光を見出す様を繊細かつ大胆に演じる。片腕が動かない謎の男を演じるのは、映像、舞台、ダンスとジャンルにとらわれない表現者である森山未來。

戦争で家族をなくし、焼け残った居酒屋で体を売って生きている女(趣里)と交流を深めていく戦争孤児を『ラーゲリより愛を込めて』や大河ドラマ「青天を衝け」に出演している子役・塚尾桜雅が演じる。さらに復員した若い兵士役に、PFFグランプリ受賞作品『J005311』の監督でもある河野宏紀。そして、映画監督、俳優としても活躍する利重剛、大森立嗣が脇を固める。

塚本晋也監督は本作について「火と、その揺れに合わせて姿を変える影。その影の中に生きる人々を見つめ、耳をすませます。終戦企画と銘打って準備撮影を進めた『ほかげ』。世界の動きが怪しくなってきた今、 どうしても作らずにはおれなかった、祈りの映画になります」とコメントを寄せている。人間の中に潜む暴力、分かち難く絡む死と生を描いてきた塚本晋也が終戦直後の闇市を舞台に、絶望と闇を抱えたまま混沌の中で生きる人々の姿をどのように描くのか。

映画『ほかげ』は、2023年11月25日(土)より全国順次公開。

作品情報
映画『ほかげ』

女は、半焼けになった小さな居酒屋で1人暮らしている。体を売ることを斡旋され、戦争の絶望から抗うこともできずにその日を過ごしていた。空襲で家族をなくした子供がいる。闇市で食べ物を盗んで暮らしていたが、ある日盗みに入った居酒屋の女を目にしてそこに入り浸るようになり‥‥。

監督・脚本・撮影・編集:塚本晋也

出演:趣里、塚尾桜雅、河野宏紀、利重剛、大森立嗣、森山未來

配給:新日本映画社

©2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

2023年11月25日(土) ユーロスペースほか全国順次公開

公式サイト hokage-movie.com