Feb 28, 2022 news

美術史に拒まれた女性画家の生涯を描く 映画『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』

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スウェーデンの女性画家ヒルマ・アフ・クリント(1862~1944)のドキュメンタリー映画『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』が4月9日(土)に全国公開されることが決定。抽象的絵画の先駆者でありながら、長らくその存在を知られていなかった彼女は、近年認知され、その評価を急速に高めている。

2019年、ニューヨークのグッゲンハイム美術館で開催された回顧展は同館史上最高の動員を記録し、巨匠ラッセ・ハルストレムが最新作『Hilma』で彼女の生涯を描くなど、今や欧米で大きな注目を集める存在。謎に包まれたその生涯、そして彼女を拒んだ美術史の裏側にも迫る本作の予告映像が公開された。

1862年、スウェーデンに生まれたヒルマは王立美術院で学び、伝統的な絵画で成功を収めたが、妹の死などを経て神秘主義に傾倒し、独創的な絵画を手掛けるようになる。その独創性は同じ思想を持つ4人の女性芸術家と結成した「5人」の活動やルドルフ・シュタイナーとの出会いで、輝きを増していく。しかし、同時代の画家たちが新たな芸術作品を発表する中、彼女は自身の革新的な作品を世に出さず、自分の死後20年間は公表を禁じてこの世を去った。

月日は流れ、現代。突如、世界に発見された彼女は、各地で評判を呼び、2019年NYのグッゲンハイム美術館の回顧展では、同館史上最高の来場数(約60万人)を記録し大きな話題となった。世界中の人々の心を鷲掴みにする彼女の絵は、なぜ20年を経ても世に出なかったのか。そして、自分で道をつくり、その道を歩んだ彼女が、目に見えるものを超えて見つめていた世界とは。キュレーター、美術史家、科学史家、遺族などの証言と、彼女が残した絵と言葉から解き明かす。

ドキュメンタリー映画『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』は、4月9日(土)よりユーロスペースほか全国公開。

作品情報
ドキュメンタリー映画『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』

その名は、ヒルマ・アフ・クリント。1862年にスウェーデンに生まれた彼女は、スウェーデン王立美術院で美術を学び、卒業後、当時の女性としては珍しい職業画家として、伝統的な絵画を描き、成功を収めていた。一方、彼女は多感な青春期から霊的世界や神智学に関心を持っていて、それは妹を亡くしたことでより強くなる。神秘主義に傾倒した彼女は、独自の表現の道を歩みはじめ、同じ思想を持った4人の女性芸術家と結成した芸術家集団「5人(De Fem)」での活動やルドルフ・シュタイナーとの出会いなどを経て、一層輝きを増していく。しかし、同時代の画家たちが新たな芸術作品を発表し、広く展示を行う中、彼女が自身の革新的な作品を公表することはなかった。そして、死後20年間はそれを世に出さないように言い残し、この世を去った‥‥。

監督:ハリナ・ディルシュカ

出演:イーリス・ミュラー=ヴェスターマン、ユリア・フォス、ジョシュア・マケルヘニー

配給:トレノバ

2022年4月9日(土) ユーロスペースほか全国公開

公式サイト trenova.jp/hilma/