現役医師でありながら医療分野を中心に執筆を続ける、久坂部羊の小説デビュー作を染谷将太主演で映像化した、映画『廃用身』。このたび本作の特報映像が公開された。
タイトルの【廃用身(はいよう-しん)】とは、麻痺などにより、回復見込みがない手足のこと。本作で描かれるのは「廃用身」をめぐる、ある画期的な“幸福実験”。それは残酷な禁断療法なのか、それとも究極のコスパの良い介護なのか? 外務省医務官を経て、在宅訪問医として終末医療の最前線に立ち続けてきた著者自身の経験から生まれた本作は、超高齢社会に突入した今の日本社会と不気味なほど地続きのテーマを孕み、半歩先の未来を想起させるヒューマンサスペンス。
本作の舞台は、ある町のデイケア「異人坂クリニック」。そこに通うお年寄りの間で、漆原院長(染谷将太)が考案した“画期的な”治療が密かに広まっていた。それは<廃用身>をめぐる、従来の常識を覆すもの。その結果「身体も心も軽くなった」「厳しい性格が柔らかくなった」などと予想外の“好ましい副作用”が現れたという。噂を聞きつけた編集者・矢倉は、老齢期医療に革命を起こす可能性を感じ取り、漆原に本の出版を持ちかける。しかしやがて、デイケアに関するとある内部告発が週刊誌に流出。さらに、患者宅で起きた衝撃の事件をきっかけに、すべてが暗転していく‥‥。

主演は、幅広い役柄をこなす変幻自在な演技力で、圧倒的な存在感を放つ実力派俳優として鮮烈な印象を残してきた、染谷将太。『爆弾』『新解釈・幕末伝』『イクサガミ』、NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」など話題作への出演が続く染谷が、医療の限界を超えたいと力強く訴え、理想を追い求めるあまり、合理性と狂気の危うい狭間へと踏み込んでいく主人公、医師・漆原糾を怪演する。
監督と脚本を務めるのは𠮷田光希。自主製作映画『症例X』で第61回ロカルノ国際映画祭新鋭監督コンペティション部門入選、『家族X』『三つの光』のベルリン国際映画祭をはじめとした多数の国際映画祭での評価を通じ、世界で注目を集めてきた。本作は、そんな𠮷田が学生時代に原作と出会って衝撃を受けて以来、20年にわたり温め続けてきた、渾身企画の映画化となる。
このたび公開された特報映像では、不穏な音楽とともに、染谷将太演じるデイケア「異人坂クリニック」の院長・漆原の、正義に満ちた穏やかな表情から幕を開ける。「お年寄りの体重が軽くなったら、介護負担を減らすことができる」のセリフの後に映し出されるのは、芝生の上で車椅子の老人たちが輪になり、楽しげに風船遊びをしている光景。一見すると平和そのものの映像に、「“身体のリストラ”をされた老人たちは、身も心も軽くなる‥‥?」というテロップが重なり、違和感が静かに忍び寄る。やがて「もっと、早く切ったらよかったね」と、手足の欠けた老人の衝撃的なセリフが放たれ、映像は一気に戦慄の色を帯びていく‥‥。
追加キャストとして発表された、編集者・矢倉俊太郎役の北村有起哉、デイケアを受ける高齢者・岩上武一役の六平直政、漆原の妻・漆原菊子役の瀧内公美も登場し、疑念、諦観、不穏な納得‥‥それぞれの表情が、物語の歪んだ均衡を際立たせていく。「少し冷酷だと思いましたか?」と静かに微笑む漆原。その柔らかな笑顔の奥に潜む“理想の未来”とは一体何なのか。禁断の展開を予感させる映像となっている。
映画『廃用身』は、2026年5月 全国公開。

ある町のデイケア「異人坂クリニック」に通うお年寄りの間で、漆原院長が考案した“画期的な”治療が密かに広まっていた。究極のコスパの良い介護を目指すその医療行為は<廃用身>をめぐる、従来の常識を覆すものだという。その結果、「身体も心も軽くなった」「厳しい性格が柔らかくなった」などと予想外の“好ましい副作用”が現れたという。噂を聞きつけた編集者・矢倉は、老齢期医療に革命を起こす可能性を感じ取り、漆原に本の出版を持ちかける。しかしやがて、デイケアに関するとある内部告発が週刊誌に流出。さらに、患者宅で起きた衝撃の事件をきっかけに、すべてが暗転していく。
監督・脚本:𠮷田光希
原作:久坂部羊『廃用身』(幻冬舎文庫)
出演:染谷将太、北村有起哉、瀧内公美、廣末哲万、中村映里子、中井友望、吉岡睦雄、六平直政
配給:アークエンタテインメント
©2025 N.R.E.
2026年5月 TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
公式サイト haiyoshin.com