沖縄最古の映画館として2022年に72年もの営業に幕を下ろした首里劇場の最期を、沖縄を代表する写真家・石川真生が撮影する姿を追ったドキュメンタリー映画『劇場が終わるとき』。この度、本作の予告映像、ポスタービジュアル、場面写真が公開された。
戦後復興の時代に建てられ、2022年4月に経営者である館長の急逝によって72年の歴史に幕を下ろした映画館・首里劇場を、沖縄を代表する写真家・石川真生が、劇場の持つ風格、わびしさ、染みついた歴史を記録で残そうと写真を撮影した。本作は、石川が老いと病を抱えながら映画館の最期を撮影するその様子を追いかけたドキュメンタリー映画。
また、急逝した金城政則館長の甥からは、家族で経営する劇場の思い出が語られるほか、幼少より首里劇場を知るNPO法人シネマラボ突貫小僧代表の平良竜次、かつて上映された成人映画にも出演していた女優・ほたる、元映写技師のミュージシャン・とんちピクルス 松浦浩司などが、それぞれの首里劇場への想いを語り、石川真生の作品「大琉球写真絵巻」のモデルだったストリッパーの牧瀬茜も姿を見せる。
監督を務めるのは、 1992年公開のオムニバス映画 『パイナップルツアーズ』の1話を監督し、その後東京のミニシアターや、沖縄で桜坂劇場の立ち上げにも参加し、興業、宣伝の立場からも映画に関わってきた真喜屋力。
映画『劇場が終わるとき』は、2024年9月21日(土)より沖縄・桜坂劇場で先行公開。2025年初春全国公開。
1950年に建てられ、地域文化の中心として活躍した首里劇場。やがて映画が斜陽産業となり、成人映画専門館となる。3代目館長の金城政則はそんな老朽化した映画館を引き継ぎ、20年近く守り続け、2021年に名画座へと転身するが、その翌年に癌のために急逝。劇場は閉館となり、戦前の劇場様式を引き継ぐ首里劇場は、まるでゴシック建築の幽霊屋敷のような風格を帯びながら、解体の日を静かに待っていた。そんな中写真家の石川真生は、閉ざされた劇場に足を踏み入れ、老いと病を抱えながらも、精力的に建物に染みついた、人々の記憶や気配をフィルムに焼き付けようと試行錯誤を繰り返す。また館長の甥からは、家族で経営する劇場の思い出が語られていく。華やかなころの首里劇場ではなく、成人映画館を営む、とある家族の記憶。廃虚のような首里劇場を舞台に、生きることの切なさ、たくましさを、人間くさいユーモアとともに人々が伝える中、解体の日が近づいてくる。
製作、監督、撮影、編集:真喜屋力
出演:石川真生、金城政則、牧瀬茜、ほたる、とんちピクルス 平良竜次、 佐久田立々夏、金城裕太、仲田幸子(特別出演)、仲田まさえ
配給宣伝協力:ムービー・アクト・プロジェクト
2024年9月21日(土) 沖縄・桜坂劇場で先行公開
2025年初春 ユーロスペース他全国公開
公式サイト gekiowa