Jan 28, 2022 news

ウェス・アンダーソン監督もオンラインで参加!映画『フレンチ・ディスパッチ』前夜祭ファンイベントが開催

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質問もできるQ&Aのコーナーへ移り、貴重な機会に客席からは続々と挙手が。「今作は監督の特徴的なショットも多かったと思うが、一方でアニメのシーンが多かったり、手持ちのカメラで撮影しているシーンがあったり、白黒のシーンも効果的に使われていて、新しい要素が多かったという印象。今回の作品で初めて試みた撮影方法や演出方法があれば教えていただきたい。」という質問に対し、ウェスは「映画を作るときには新しいことをやってみたいと毎回思っている。今回の場合は、アンソロジーという形でいくつかの物語があったために、非常にたくさんのキャストとお仕事できた。(撮影では)キャストからワクワクするような新しいサプライズが生まれることがある。自分の作品の新しさというのは、自分自身がコラボーレーションしている方に適用していくなかで生まれてくることが多いなと思っている。ジェフリーはスペインでの作品にも出演しているし、ベニチオともまたタッグを組むアイデアが自分の中にある」と答えた。

次に「ウェスの作品は音楽がとても素敵に使われていると考えていて、音楽を使うときにどういうことをポイントにしているのか」と尋ねると、ウェスは「今回の作品の場合、パートで物語が分かれているので、それぞれに楽曲をイメージしていった。音楽担当はご存知のように『ファンタスティック Mr.FOX』からずっとタッグを組んでいる作曲家のアレクサンドル・デスプラ。オープニング(「自転車レポーター」)は、フランス映画の劇伴を担当しているジョルジュ・ドルリューにインスパイアされたバロック調の楽曲。その次の画家の物語(「確固たる名作」)はエリック・サティのような静かめのフランスの楽曲のイメージ。ジェフリーの物語(「警察署長の食事室」)は形容しづらいが、いろいろ模索しながら進化させていき、ニューオリンズ的な楽曲で着地した。

そして、ティモシー・シャラメやフランシス・マクドーマンドの物語(「宣言書の改訂」)は、既存のフランスの音楽を使っている。モリコーネも使っているんですが、60年代にドキュメンタリーのために彼が描き下ろしたもので、本当に大好きで前々から使いたいと思っていた。もう一曲、クリストフとジャーヴィス・コッカーの「愛しのアリーヌ」という楽曲は、映画全体の鍵となる楽曲だったんじゃないかなと思っている。ジョルジュ・ドルリューが作曲した楽曲もこちらで使用している。カンヌ国際映画祭で「愛しのアリーヌ」の演奏してもらうということも考えていたので、クリストフが亡くなって非常に残念に感じている。前々から大好きな楽曲だった。」と並々ならぬ音楽愛とともに語った。

最後に「役者の方も本当に素晴らしかったのですが、キャスティングするときは何を役者の方に求めるか」という質問に、ウェスは「役者さんの選び方や求めるものはそれぞれによって違ってくる。今作はアテ書きのキャラクターも何人かいたが、ベニチオ、フランシス、ジェフリーがそれにあたる。フランシスは以前も仕事をしたことがあるが、ベニチオは以前からご一緒したいと思っていて、ものすごくパワーを持っている、スクリーン上で強き存在感を放つ、さらに驚かされる、そのような役者だと思っている。『ボーダーライン』も素晴らしかったが、続編で手話をするシーンがちょっと奇妙なシーンで、私は心を動かされた。それについてベニチオに聞いてみると、実はあのシーンは手話でやりたいと自分からリクエストした、と聞いた。そのように自分で何かを生み出す力、発明力を持っている方が好き。ジェフリーは彼の言葉が持つ表現力というものに以前から感銘を受けていた。非常に長いテキストであっても命を見事に吹き込むことが出来る方。キャスティングするということ、役者さんとお仕事するということはとてもワクワクする。」とリスペクトたっぷりにキャストの魅力を語った。

フォトセッションの時間では、観客のフォトタイムにウェスもテンションが高まるあまり「ありがとうございます!私にも観客のみなさんを撮らせてください!」とスマホを用意し、気付けばお互いを撮り合うという日本とパリの遠い距離を感じさせないアットホームな雰囲気で、映画公開を祝うに相応しい最後まで大盛り上がりの前夜祭ファンイベントとなった。

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』は、全国公開中。

作品情報
映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』

ウェス・アンダーソンによる活字文化とフレンチ・カルチャーに対するラブレター。20世紀フランスの架空の街にある米国新聞社の支局で活躍する、一癖も二癖もある才能豊かな編集者たちの物語。ストーリーは三部構成で展開し、画面のいたるところにはウェス・アンダーソンらしいユニークな演出が散りばめられている。

監督・脚本:ウェス・アンダーソン

出演:ベニチオ・デル・トロ、エイドリアン・ブロディ、ティルダ・スウィントン、レア・セドゥ、フランシス・マクドーマンド、ティモシー・シャラメ、リナ・クードリ、ジェフリー・ライト、マチュー・アマルリック、スティーヴン・パーク、ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、クリストフ・ヴァルツ、エドワード・ノートン、ジェイソン・シュワルツマン、アンジェリカ・ヒューストンほか

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

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公開中

公式サイト searchlightpictures.jp