作品の感想を尋ねると、野村氏は「本当に素晴らしい映画で、ウェスの映画は毎回特徴があると思うが、こちらが想像したものを超える新しい作り方を見せてくれて、それが毎回楽しみ。とにかくウェスの頭のなかには映画のアイデアが20~30個あると思うのでこのまま年1ペースで吐き出し続けて欲しい」とコメント。ウェスは「ありがとう。スペインで撮影した作品の編集はほぼ終わっているが、実はこの物語、スペインで撮影しているが、舞台はアメリカ。それが終わった後にすでにイギリスで、大変興味深いイギリス人のキャストとともに短めの作品を撮っている。数ヶ月待っていただければ一本の完成した映画と、さらに次のプロジェクトも作業が進んでいるという状況になるね」と野村氏の言葉通り、溢れ出るアイデアをまさに今も次回作に注いでいる様子。
ウェス作品の魅力を一言で現すと?と尋ねられた野村氏は「一言で言うのはなかなか難しいが、作家性があって、話がとてもおもしろくて、私はインテリア・デザイナーでもあるが、セットも素晴らしいし、音楽も素晴らしい。そのような映画を作る人がもう今の世の中ウェス以外いないんじゃないかと個人的には思うほど。とにかくウェスしか頼りにしていない。」と絶大な信頼を寄せながらコメント。その様子を笑顔で聞いていたウェスは「ありがとう!私自身、自分の作品を一言で説明をしてと言われたら、難しい(笑)。アメリカで映画の企画を立ち上げるときにピッチといって、プロデューサーや出資者の方に、自分はこういう作品が作りたいと作品の説明をするのだが、数年間そういうことをしなくて済んでいる。もし、それをしなくちゃいけないとしたら、映画を作れていないと思う。というのも、自分の作品を先回りして、こういう作品だと説明できないから。(私の作品では)多くの場合、出来上がった作品を観て、自分でも驚く事が多い。自分で予測していない要素がミックスされていることが多いんだよね」と語った。