Jan 11, 2024 news

エストニアで同性婚を認めさせる原動力となった、ペーテル・レバネ監督渾身の作品 映画『Firebirdファイアバード』

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エストニア・イギリス合作映画『Firebirdファイアバード』の本予告映像と、本作の監督ペーテル・レバネと主演俳優オレグ・ザゴロドニーによるビデオメッセージが公開された。

本作はロシアの無名の俳優セルゲイ・フェティソフが書き遺した回想録「ロマンについての物語」を、ペット・ショップ・ボーイズの「Together」、BBCワールド制作のライブドキュメンタリー「Robbie Williams:Fans Journey to Tallinn」などの監督・プロデューサーとして知られる、ペーテル・レバネが映画化。『ブロークバック・マウンテン』や『アナザー・カントリー』を彷彿とさせる“秘められた愛”が描かれる。

主演には、『博士と彼女のセオリー』『キングスマン』の“英国出身のアップカミングスター”トム・プライヤーと、“ウクライナの正統派二枚目俳優”オレグ・ザゴロドニーという東西欧州の新星俳優が顔を揃える。2人は冷戦時代ソビエト占領下のエストニアを舞台に、当時決して許されるものではなかった愛の物語を繊細かつリアルに演じる。

そしてこの度、本作の予告映像とあわせて、公開直前の2月6日に来日することが決定したペーテル・レバネ監督と、同じく来日が決まったウクライナ・キーウ出身で、本作の主演俳優のひとりオレグ・ザゴロドニーによるビデオメッセージが公開された。

ペーテル・レバネ監督は、出身国であるエストニアで、かねてから同棲婚を国に認めさせるための様々なロビー活動を行ってきた。2021年、エストニアにおいて本作がLGBTQ映画として初めて一般劇場公開されると、コロナ禍にも関わらず大ヒットを記録。同時に配信も行った結果、本作は、同国で公開されたすべての映画の中で4番目に収益を上げた作品となった。

この映画のメッセージはエストニア国内でも当時大きな反響を喚び、公開から2年後の2023年3月には、国会で悲願の同棲婚法案が議決され、2024年1月に施行されるに至った。この映画の存在が、国をも動かす大きな原動力のひとつとなったとも言える。これはバルト三国はもちろん、旧ソ連圏ではのことで、エストニアは世界で35か国目の同性婚承認国となった。

映画『ファイアバード Firebird』は、2024年2月9日(金)より公開。

作品情報
映画『ファイアバード Firebird』

1970年代後期、ソ連占領下のエストニア。モスクワで役者になることを夢見る若き二等兵セルゲイは、間もなく兵役を終える日を迎えようとしていた。そんなある日、パイロット将校のロマンが、セルゲイと同じ基地に配属されてくる。セルゲイは、ロマンの毅然としていて謎めいた雰囲気に一瞬で心奪われる。ロマンも、セルゲイと目が合ったその瞬間から、体に閃光が走るのを感じていた。写真という共通の趣味を持つ2人の友情が、愛へと変わるのに多くの時間を必要としなかった。しかし当時のソビエトでは同性愛はタブーで、発覚すれば厳罰に処された。一方、同僚の女性将校ルイーザもまた、ロマンに思いを寄せていた。そんな折、セルゲイと
ロマンの関係を怪しむクズネツォフ大佐は、2人の身辺調査を始めるのだった。

監督:ペーテル・レバネ

原作:セルゲイ・フェティソフ「ロマンについての物語」

出演:トム・プライヤー、オレグ・ザゴロドニー、ダイアナ・ポザルスカヤ

配給:リアリーライクフィルムズ

© FIREBIRD PRODUCTION LIMITED MMXXI. ALL RIGHTS RESERVED / ReallyLikeFilms

2024年2月9日(金) 新宿ピカデリー他にて公開

公式サイト firebird