Oct 14, 2021 news

映画『DUNE / デューン 砂の惑星』撮影方法、巨大セット、視覚効果まで 砂の中で試行錯誤したドゥニ・ヴィルヌーヴ監督とスタッフが語る舞台裏を独占公開!

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DUNEの裏側③
原作ファンを唸らせるため、細部の小道具や美術への徹底的なこだわり

ヴィルヌーヴ監督が美術の観点からめざしたのは、原作小説の熱烈なファンが、フランク・ハーバートの筆致を映画のなかに見いだし、オブジェ・家具・部屋・建物・建築様式・光など、あらゆるものが、ハーバートによる描写や表現のとおりだと認めてくれること。また、万事が可能な限り原作小説の精神に則り、光、風、砂ぼこりの感触といった自然から着想を得ていることだった。

それに応えるように、「スター・ウォーズ」シリーズや、「ゲーム・オブ・スローンズ」にも参加した、セット装飾のリチャード・ロバーツは、室内装飾は悪目立ちをするのを避け、雰囲気をつくるものにしたいと強調し、「観客は、家具の一つひとつに気をとられるべきではないと思う。装飾品はあくまで観客が没入する世界観を生みだすためのものでなくてはならない」と自身の考えをコメント。家具や照明から紋章旗やカーペットまで、すべてオーダーメイドで作られたのち、ほかの小道具と同じく劣化させて使い古された感じを出しており、「これほど大きいサイズのカーペットを用意したのはまったく初めてだった。見事だった」とスケール感を楽しみながら本作に参加できた様子。細部にいたるまで原作の空気感を再現するというヴィルヌーヴ監督とスタッフのこだわりが感じられる小道具や美術にも注目したい。

DUNEの裏側④
サンドワームによる砂漠の激震も再現 驚きの視覚効果

本作の見どころのひとつでもある砂の惑星デューンに生息する巨大なサンドワームの登場シーンでは、驚きの方法で視覚効果を作り上げた。砂のなかに棲む巨大なサンドワームは、何マイルも離れたところの地面の動きや音を感知し、驚異的なスピードで動くことができる。サンドワームが動けば、砂漠全体に激震が走るが、砂がかき乱されるという視覚効果を作成するために、特殊効果監修ガード・ネフザーは「ヨルダンで砂の下に大きなプラットフォームをつくり、10台の振動エンジンを取りつけた。さまざまな砂で試してみて、最終的に大きな木製の羽根を振動エンジンの下部にある高振動エンジンに取り付けたらとてもうまくいった」と実際に、ロケーションに激震を作る仕組みを作っていたことを明かした。

ネフザーとともにチームを組んだ視覚効果監修のポール・ランバートは、「私たちは地下で大きな力をつくり出し、惑星が揺り動かされ、自ずと砂丘が滝のように崩れるというアイデアを展開したので、その様子を見れば、観客は近くにサンドワームがいるとわかるだろう。つまり、サンドワームがやって来るときは、周囲の砂丘がまるで水のように滝になって流れるのを見ることになる。乾いた不毛の砂漠に棲み、水が動くように上昇しては崩れ落ちるこの生き物が本当に大好きだった」と、とても満足のいくクオリティの視覚効果が作り上げられたことを明かした。