セドリック・クラピッシュ監督の最新作『ダンサー イン Paris』。この度、本作に本人役として出演する、トニー賞ノミネート経験を持つ振付家、ホフェッシュ・シェクターのインタビュー映像が公開された。
本作で主人公・エリーズを演じるのは、パリ・オペラ座バレエのプルミエール・ダンスーズでクラシックとコンテンポラリーを自在に行き来するマリオン・バルボー。ダンスシーンに一切のスタントを使わないと決意したクラピッシュ監督によって、映画初出演にも拘らず主演に抜擢された。
エリーズが出会うダンスカンパニーの主宰者に、コンテンポラリー界の奇才として名を馳せるホフェッシュ・シェクターが本人役で出演。代表作「ポリティカル・マザー ザ・コレオグラファーズ・カット」を振り付ける過程にカメラが密着する。
監督は『スパニッシュ・アパートメント』『パリのどこかで、あなたと』など、フランスで最も愛される監督の1人となったセドリック・クラピッシュ。思春期の頃から一観客としてダンスへの情熱を燃やし続け、いまやパリ・オペラ座からの依頼で定期的にステージも撮影しているクラピッシュ監督は、コロナ禍でパフォーマンスの場を失くしたダンサーたちが自宅で撮影した映像を編集し、『Dire merci(メルシーと言うこと)』という4分間の映画を作り上げたことをきっかけに、「いつかダンスをテーマとしたフィクション映画を作る」という20年来の構想を本作で実現させた。
現在、最も注目を浴びる舞踏家でもあるホフェッシュ・シェクターは、2016年にブロードウェイで「屋根の上のヴァイオリン弾き」の振付を担当しトニー賞にノミネートされた。2019年、自身のダンスカンパニーを引き連れ、Bunkamura オーチャードホールでKAT-TUNの上田竜也主演で日本初公演された「ポリティカル・マザー ザ・コリオグラファーズ・カット」の成功も記憶に新しい。
そんなホフェッシュ・シェクターが、本作の映画化に至る経緯や、映画演出と振付の関係性などを語る独占インタビュー映像がこの度公開された。
監督を務めたセドリック・クラピッシュとの出会いに「すごく興奮した」と語るホフェッシュ。バルセロナに住んだのもクラピッシュ監督の『スパニッシュ・アパートメント』を観て憧れたから」と、相思相愛の様子。
初めてだという演技については「初日は苦労した」と、60名ものスタッフがカメラの後ろに控えていて撮影を見守っている光景を振り返り、「ダンサーが舞台に立つ時は周囲が暗闇で客席は見えないから自分の世界に没頭できる」と、舞台との違いを意識したことを告白した。
しかしクラピッシュ監督との仕事については「流れるようにスムーズにいく」と絶賛。舞台での振付は完成したものだが、スタジオでは「いろんなことを提案し、自由に試した。ダンサーが即興で踊って、僕と監督とで議論していく」と、自由で実験的な空気感に感銘を受けたと語った。
映画の演出と舞台の振付の関係性について問われたホフェッシュは「ダンスの場合はエネルギーを構築し、感情的な反応を引き出す。様々な要素を積み重ねてタイミングを図る。映画の演出も同じで、タイミングや空間が大事という点で、映画の演出も同じだと思う。大事なのはエネルギー。観客にもたらす感情だ」と、近しいものを感じたことも明かした。
映画『ダンサー イン Paris』は、2023年9月15日(金)より全国順次公開。
パリ・オペラ座バレエ団で、エトワールをめざす主人公のエリーズ。幼少期からバレエ一筋の日々を送ってきた彼女だったが、夢の実現を目前に恋人の裏切りから心乱れ、本番中に足首を負傷。医師から踊れなくなる可能性を告げられる。踊ることを半ば諦め、新しい生き方を模索する失意のエリーズだったが、そんななか料理のアシスタントの仕事で訪れたブルターニュで、今を時めく注目のダンスカンパニーと出会う。これまでのバレエとは違う、独創的なコンテンポラリーダンスが生み出される過程を目撃し、やがて誘われるまま練習に参加したエリーズは、未知なるダンスを踊る喜びと新たな自分を発見していく。
監督:セドリック・クラピッシュ
出演:マリオン・バルボー、ホフェッシュ・シェクター、ドゥニ・ポダリデス、ミュリエル・ロバン、ピオ・マルマイ、フランソワ・シヴィル、メディ・バキ、スエリア・ヤクーブ
配給:アルバトロス・フィルム、セテラ・インターナショナル
© 2022 / CE QUI ME MEUT MOTION PICTURE – STUDIOCANAL – FRANCE 2 CINEMA Photo : EMMANUELLE JACOBSON-ROQUES
2023年9月15日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開
公式サイト dancerinparis