ひとりの若き女性ダンサーの第2の人生を描いたセドリック・クラピッシュ監督最新作『ダンサー イン Paris』の予告映像、ポスタービジュアル、場面写真が公開された。
本作は『スパニッシュ・アパートメント』、『パリのどこかで、あなたと』など、平凡さの中に隠れた輝き、普通の人々や日常の愛おしさを描き出し、フランスで最も愛される監督の一人となったセドリック・クラピッシュ監督の最新作。
エリーズを演じるのは、パリ・オペラ座バレエのプルミエール・ダンスーズで、クラシックとコンテンポラリーを自在に行き来するマリオン・バルボー。ダンスシーンに一切のスタントを使わないというクラピッシュ監督の決意のもと、映画初出演にも拘らず彼女が主演に抜擢された。
クラピッシュは、思春期の頃から一観客としてダンスへの情熱を燃やし続け、多種多様なダンスステージを鑑賞し、監督としては2010年にパリ・オペラ座バレエのエトワールであるオーレリ・デュポンのドキュメンタリー『オーレリ・デュポン 輝ける一瞬に』を完成させた。
その後も、パリ・オペラ座からの依頼で定期的にステージを撮影していたクラピッシュは、世界がコロナの闇に覆われた時、パフォーマンスの場を失くしたダンサーたちが自宅で撮影した映像を編集し『Dire merci(メルシーと言うこと)』という4 分間の映画を作り上げる。ダンサーたちのステップが気持ちを軽やかにしてくれるとたちまち世界中に広がったこの作品をきっかけに、ついに本作で「いつかダンスをテーマとしたフィクション映画を作る」という20年来の構想を実現させた。
オープニングから圧倒するのは、台詞無しで展開する15分間のバレエシーン。舞台裏にカメラが潜入し、本番前に神経を研ぎ澄ますダンサーたちを捉える。バルボーが踊るのは「ラ・バヤデール」。舞姫(バヤデール)ニキヤが恋人に裏切られる物語だ。バルボーは恋人の不実を目撃したエリーズの衝撃と哀しみをニキヤに重ね合わせ、胸に迫る見事なダンスを踊る。さらに、自らの手で人生の第2章を切り開こうとするエリーズの心情を、繊細かつリアルに演じた。
また、エリーズが出会うダンスカンパニーの主宰者に、コンテンポラリー界の奇才として名を馳せるホフェッシュ・シェクターが本人役で出演。代表作「ポリティカル・マザー ザ・コレオグラファーズ・カット」を振り付ける過程にカメラが密着し、ダンサー1人1人の肉体に刻みつけられた体験、魂に眠る感情を引き出し、作品へと昇華させていく姿をドキュメンタリーのように追いかけ、トニー賞にノミネートされた振付家の創作の秘密に迫る。完成した舞台はラストで披露され、自身の第2のスタートを祝福するようなエリーズのダンスが、観る者の全身に生命力を注ぐ。
さらに、エリーズが惹かれるダンサーとして、フランス出身のメディ・バキが出演。エリーズの父親には『12か月の未来図』のドゥニ・ポダリデス。数々の名言をエリーズに贈るレジデンスのオーナーには『サン・ジャックへの道』のミュリエル・ロバン。間抜けなところが愛らしいエリーズの理学療法士には『パリのどこかで、あなたと』のフランソワ・シヴィル。脇を固める個性派のフランス俳優たちが物語にユーモアを添える。
映画『ダンサー イン Paris』は、2023年9月15日(金)より全国順次公開。
パリ・オペラ座バレエ団で、エトワールをめざす主人公のエリーズ。幼少期からバレエ一筋の日々を送ってきた彼女だったが、夢の実現を目前に恋人の裏切りから心乱れ、本番中に足首を負傷。医師から踊れなくなる可能性を告げられる。踊ることを半ば諦め、新しい生き方を模索する失意のエリーズだったが、そんななか料理のアシスタントの仕事で訪れたブルターニュで、今を時めく注目のダンスカンパニーと出会う。これまでのバレエとは違う、独創的なコンテンポラリーダンスが生み出される過程を目撃し、やがて誘われるまま練習に参加したエリーズは、未知なるダンスを踊る喜びと新たな自分を発見していく。
監督:セドリック・クラピッシュ
出演:マリオン・バルボー、ホフェッシュ・シェクター、ドゥニ・ポダリデス、ミュリエル・ロバン、ピオ・マルマイ、フランソワ・シヴィル、メディ・バキ、スエリア・ヤクーブ
配給:アルバトロス・フィルム、セテラ・インターナショナル
© 2022 / CE QUI ME MEUT MOTION PICTURE – STUDIOCANAL – FRANCE 2 CINEMA Photo : EMMANUELLE JACOBSON-ROQUES
2023年9月15日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開
公式サイト dancerinparis.com