2003年フジテレビの木曜10時枠で放送された連続ドラマ「Dr.コトー診療所」。累計発行部数1200万部を超える山田貴敏の同名漫画を元に、シーズン1、シーズン2ともに大ヒットを記録し、今なお国民的ドラマとして語り継がれている。
東京から僻地の離島に赴任してきた外科医“Dr.コトー”こと五島健助と、島の人々との交流を通して命の尊さを描いた本作の主人公・コトーを演じるのは吉岡秀隆。日本を代表する俳優のひとりである吉岡が、自身の代表作であり代表役ともいえる“コトー先生”を、映画『Dr.コトー診療所』で16年ぶりに演じる。本作の監督を務めるのは、ドラマシリーズでも演出を務めた中江功。脚本は、同じく連続ドラマ全作を執筆してきた吉田紀子。名作ドラマシリーズを世に贈り出したオリジナルスタッフが、再び「Dr.コトー診療所」の“今”を描く。
柴咲コウをはじめとする、時任三郎、大塚寧々、泉谷しげる、筧利夫、小林薫、大森南朋、朝加真由美、富岡涼らドラマシリーズからの続投キャスト9名も再集結し、吉岡演じるコトーと柴咲演じる彩佳の結婚・妊娠ということも明らかになるなど、“変わらない”あの頃の志木那島の人々、そして「夫婦」という形に“変わった”コトーと彩佳に期待や公開を待ち望む声が多く寄せられた。
そしてこの度、主題歌もDr.コトーファン待望の中島みゆきの名曲「銀の龍の背に乗って」になることが解禁。その主題歌を使用した最新予告映像が公開された。
「Dr.コトー診療所」の主題歌は、2003年放送のドラマシーズン1から、2004年のスペシャルドラマ、そして2006年のドラマシーズン2に至るまで、すべて中島みゆきの名曲「銀の龍の背に乗って」が起用されてきた。本ドラマのために書き下ろした楽曲であり、ドラマと共に一世を風靡した楽曲ともいえるため、「Dr.コトー診療所」といえば「銀の龍の背に乗って」を思い浮かべるドラマファンも多く、実際のところ、今回発表となる前からSNS上では「主題歌は必ず『銀の龍~』で!」と待ち望んでいたファンの声も多数あった。
タイトルの「銀の龍」に込められた意味を、中島は「命に向き合いながら孤独に戦う医師たちの心に想いを馳せ、命の水の化身である龍に願いを託したかった。その龍の色が銀色であるのは、手術用のメスの色が銀色だから」と、2016年発売の自身のベストアルバム『前途』内で解説している。
さらに、2003年リリース当初には「船が海を渡るとき、その後ろに波を切ってできる白波が立つ。それが太陽に照らされてキラキラ輝いている様子は、まるで“銀の龍”のようだ」と語っていたことからも、ドラマ第1話でコトーが船に乗って志木那島まで向かうシーンを彷彿とさせるような、まさに「Dr.コトー診療所」のための楽曲となっており、今回再び映画の主題歌になることも必然とも言える。
予告映像は、海の向こうにある美しい小さな島で、コトー先生が自転車で往診するシーンから始まり、そこには今も変わらない島での日常があるということを、主題歌「銀の龍の背に乗って」にのせて丁寧に描いている。さらには先日発表されたように、コトーと彩佳が結婚し、新たな命を授かっていることが分かる描写もあり、そこで生きている人々が16年を経ても変わらない様子と16年を経て変わった様子が入り混じった、時の流れを感じる映像となっている。
だが、美しく穏やかな島の情景の一方で、コトーの口から「診療所を無くすということですか?」と衝撃の言葉が。16年を経ても変わらない美しく穏やかな島に深刻な面持ちのコトーと涙を見せる彩佳。心に沁みるヒューマンドラマを紡いできたシリーズの続編では、一体どんな物語が描かれるのか‥‥。
【中江功監督 コメント】
『Dr.コトー診療所』は連続ドラマで2シーズンとスペシャルドラマでもやりましたので『コトー』と言えば『銀の龍』、『銀の龍』と言えば『コトー』自分の中でこの2つは一体化していた為、別の曲にするとか、新しい『銀の龍』にするとか、そんな考えは全くありませんでした。それくらい『コトー』は『銀の龍』とイコールだと思ってます。
『銀の龍』を聴くと今でも20年前からの島の風景と撮影の思い出が浮かんできます。1992年に『親愛なる者へ』というドラマの主題歌(「浅い眠り」)をやっていただき、更に最終回ではみゆきさんに出演していただきました。私は当時助監督でしたが、打合せの際に普段ドラマとか絶対出ないみゆきさんが出演を受諾していただいたのは、“お父様と同じ産婦人科の役であったから”とプロデューサーにお話ししていたと記憶しています。「医者をやるなら大事にやりたい」と仰っていたのをよく覚えています。
それから約10年後、『コトー』で医療ドラマをやることになったので、主題歌をお願いするためにラジオ局に会いに行きました。スタジオ前でお会いしたとき、ニッコリと「お久しぶりです。南雲律子です」と10年前のドラマの役名でご挨拶していただきました。その記憶力の凄さと優しさとユーモアに感動したことは今でも忘れられません。
打合せのときに『コトー』を“海を超えてやって来た、傷ついた非力なヒーロー”という表現をしたのですが、その通りの素晴らしい曲になりました。曲を作っていただいた後、事務所の方が「【銀の龍】というのは波頭が光って輝いている様を表現しているんです」とこっそり教えてくれました。映像より先に、海からやって来るヒーロー『コトー』のイメージを作ってもらった気がしています。
最初のシーズンのタイトルバックで崖の上に座ってるコトー先生を撮影したのですが、放送後、島の方から「あそこは龍が昇ってくるところなんだよ」と教えていただき、この曲との縁を感じました。
国民的大ヒットドラマ「Dr.コトー診療所」。前作の放送から16年の時を経て待望の映画化。青い空と美しい海、雄大な自然に囲まれた志木那(しきな)島の舞台はそのままに、あれから16年経った今も変わらず島の人々と寄り添いながら生きるDr.コトー・五島健助の新たな物語を描く。
監督:中江功
原作:山田貴敏「Dr.コトー診療所」(小学館)
出演:吉岡秀隆、柴咲コウ、時任三郎、大塚寧々、大森南朋、泉谷しげる、筧利夫、小林薫
配給:東宝
©山田貴敏
©2022 映画「Dr.コトー診療所」製作委員会
2022年12月16日(金) 全国公開
公式サイト coto-movie.jp