Nov 18, 2021 news

世界各国の映画祭で熱い喝采『クレッシェンド 音楽の架け橋』など、極上のクラシック音楽映画3作品

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クラシックファンの中には、映画がきっかけでクラシック音楽を聴くようになったという人も少なくないのではないだろうか。「ツァラトゥストラはかく語りき」で始まるオープニングが印象的な『2001年宇宙の旅』やモーツァルトの半生を宮廷音楽家アントニオ・サリエリの視点から描いた『アマデウス』、さらに最近では、ピアノコンクールに挑む4人の演奏家の群像劇『蜜蜂と遠雷』や、天才クラシックギタリストとジャーナリストの恋を描いた『マチネの終わりに』など、往年の名作から近年の話題作まで、クラシック音楽が印象的な作品や、クラシックを題材とした物語が数多く存在する。

そんな名作映画に続く極上の音楽映画がこの冬にも続々公開を迎える。その中でも特に注目のクラシックの名曲が物語を彩る音楽映画3作をピックアップしてご紹介。心に強く刻まれる、エモーショナルで力強い演奏の数々を是非この機会に劇場のスクリーンと音響設備で堪能頂きたい。


『クレッシェンド 音楽の架け橋』 2022年1月28日(金) 全国公開

巨匠指揮者ダニエル・バレンボイム率いる実在の和平オーケストラ「ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団」に着想を得た物語。世界的に有名な指揮者のスポルクは、紛争中のパレスチナとイスラエルから若者たちを集めてオーケストラを編成し、平和を祈ってコンサートを開くというプロジェクトを引き受ける。しかし、コンサートが目前に迫った21日間の合宿で、激しく憎しみをぶつけ合ってしまう若者たち。涙や葛藤を乗り越え、彼らが最後にたどり着く“魂の演奏”とは‥‥。

ラヴェルの「ボレロ」、パッヘルベルの「カノン」、ヴィヴァルディの「四季」より《冬》など、誰もが知るクラシックの名曲の数々が物語を彩る本作。若者たちを導くマエストロを演じるのは、『ありがとう、トニ・エルドマン』で絶賛されたペーター・シモニシェック。世界各国の映画祭で、熱い喝采のもと4つの観客賞に輝いた感動作。

『ミュジコフィリア』 (2021年11月19日(金) 全国公開

「神童」「マエストロ!」のさそうあきらによる音楽三部作の最終章、同名マンガの映画化。音楽へのコンプレックスを持ちながら、京都の芸術大学に入学した漆原朔は、ひょんなことから引き込まれた現代音楽研究会で朔が音楽を遠ざけるきっかけとなった異母兄の貴志野大成と、朔が憧れる大成の彼女・小夜に会う。さらに朔に想いを寄せるピアノ科の凪が現われ、朔の秘めた才能が開花し始める。現代音楽とクラシックが交差する音楽青春群像劇。ワーグナーやブラームスの名曲が《音楽に情熱を注ぐものたち》(ミュジコフィリア)の物語を盛り上げる。

本作にて重要な役割を果たす音楽は、京都市立芸術大学の協力で作曲・演奏された現代音楽のオリジナル楽曲。挿入曲としてベートーヴェン、バッハ、ブラームス、ワーグナー、シェーンベルク等も奏でられ、豊かな音楽世界が楽しめる仕掛けとなっている。

『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』 (2021年12月3日(金) 全国公開

1938年のロンドン。9歳のマーティンの家に類まれなバイオリンの才能を持つ同い年の少年、ドヴィドルがやって来る。マーティンと兄弟のように育ち、21歳になったドヴィドルはデビューコンサート当日、突如行方不明となってしまう。それから35年が過ぎたある日、ある手掛かりをきっかけにマーティンはドヴィドルを捜す旅に出ることとなり‥‥。

アカデミー賞ノミネート俳優ティム・ロスとクライヴ・オーウェンら実力派キャストが集結し、『レッド・バイオリン』のフランソワ・ジラール監督が贈る、バッハやヴェートーヴェンなどのクラシック音楽と世界を巡る、極上の音楽ミステリー。

作品情報
映画『クレッシェンド 音楽の架け橋』

世界的に有名な指揮者のエドゥアルト・スポルクは、紛争中のパレスチナとイスラエルから若者たちを集めてオーケストラを編成し、平和を祈ってコンサートを開くというプロジェクトを引き受ける。オーディションを勝ち抜き、家族の反対や軍の検問を乗り越え、音楽家になるチャンスを掴んだ20余人の若者たち。しかし、戦車やテロの攻撃に晒され憎み合う両陣営は激しくぶつかり合ってしまう。そこでスポルクは彼らを南チロルでの21日間の合宿に連れ出す。寝食を共にし、互いの音に耳を傾け、経験を語り合い・・・少しずつ心の壁を溶かしていく若者たち。だがコンサートの前日、ようやく心を一つにした彼らに、想像もしなかった事件が起きる。

監督:ドロール・ザハヴィ

出演:ペーター・シモニシェック ほか

配給:松竹

©CCC Filmkunst GmbH

2022年1月28日(金) 全国公開

公式サイト movies.shochiku.co.jp/crescendo/

映画『ミュジコフィリア』

京都の芸術大学に入学した朔は、ひょんなことで「現代音楽研究会」に引き込まれる。クセの強い教授や学生たちが集まるそのサークルには、朔が憧れてきた幼なじみでバイオリニストの小夜、そして著名な作曲家の息子で、自身も天才作曲家と期待される大成がいた。実は、大成は朔の異母兄で、朔は子供の頃から色や形を「音」として感じる才能を持ちながらも父と兄へのコンプレックスから音楽を憎んできたのだ。だが天性の歌声を持ち、朔に想いを寄せるピアノ科の凪が現われ、朔の秘めた才能が開花し始める。

監督:谷口正晃

原作:さそうあきら「ミュジコフィリア」(双葉社刊)

音楽プロデューサー:佐々木次彦

出演:井之脇海、松本穂香、山崎育三郎、川添野愛、阿部進之介、石丸幹二、濱田マリ、神野三鈴

配給:アーク・フィルムズ

©2021 musicophilia film partners/©さそうあきら/双葉社

2021年11月19日(金) 全国公開

公式サイト musicophilia-film.com

映画『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』

第二次世界大戦が勃発したヨーロッパ。ロンドンに住む9歳のマーティンの家にポーランド系ユダヤ人で類まれなヴァイオリンの才能を持つ同い年のドヴィドルが引っ越してきた。宗教の壁を乗り越え、ふたりは兄弟のように仲睦まじく育つ。しかし、21歳を迎えて開催された華々しいデビューコンサートの当日、ドヴィドルは行方不明になった。35年後、ある手掛かりをきっかけに、マーティンはドヴィドルを探す旅に出る。彼はなぜ失踪し、何処に行ったのか? その旅路の先には思いがけない真実が待っていた。

監督:フランソワ・ジラール

音楽:ハワード・ショア

ヴァイオリン演奏:レイ・チェン

出演:ティム・ロス、クライヴ・オーウェン、ルーク・ドイル、ミシャ・ハンドリー、キャサリン・マコーマック

配給:キノフィルムズ

© 2019 SPF (Songs) Productions Inc., LF (Songs) Productions Inc., and Proton Cinema Kft

2021年12月3日(金) 全国公開

公式サイト songofnames.jp