ペントハウス誌の創設者ボブ・グッチョーネが、『スター・ウォーズ』の2倍、46億円もの巨額を投じて製作した歴史大作『カリギュラ』。1980年の公開から45年経った今、素材を再編集した『カリギュラ 究極版』として劇場公開される。
1976年、ボブ・グッチョーネは、映画史上最高額の製作費を投じて“自主製作映画”『カリギュラ』を企画した。史上最も退廃的とされる皇帝カリギュラを描く歴史大作として、脚本にゴア・ヴィダル、監督にティント・ブラスを起用。さらに『時計じかけのオレンジ』のマルコム・マクダウェル、後に『クィーン』でアカデミー主演女優賞を受賞することになるヘレン・ミレン、『アラビアのロレンス』のピーター・オトゥールら英国の大物俳優が参加し、公開前から大きな期待を集めていた。
しかし、製作中に様々なトラブルに見舞われることに。完成時には製作費は2倍に膨れ上がり、脚本家やスタッフらが訴訟を起こす事態に発展。撮影完了後には、監督は解雇され、編集と音楽の担当はクレジットを拒否した。トラブルを経て、1980年にようやく公開された『カリギュラ』は、観客だけでなくキャストにも衝撃を与える。グッチョーネが勝手にポルノシーンを付け加えていたり、勝手に脚本を書き換えたものが公開されてしまったからだ。批評家からは“価値のないゴミ”や“倫理的ホロコースト”と酷評され、フィルムは警察に押収され、わいせつ罪にも問われた。それでも公開時に異例の興行収入を記録し、今でも世界的に高い人気を誇っている。
それから45年。破棄されたと思われていたフィルムが奇跡的に発見され、90時間以上の素材を再編集した“本来の『カリギュラ』”がついに蘇る。

このたびの発表にあわせて公開された予告映像は「私は人間ではない! つまり私は、神だ」という、カリギュラの狂気を帯びた名セリフで幕を開ける。続いて、豪華絢爛な宮殿内部の様子や、巨大でおぞましい処刑マシーンが首まで地中に埋められた人間の頭を跳ね飛ばそうとする場面など、美しく豪奢でありながら恐ろしいシーンの数々が展開。。そこに重なるのが、迫力満点の「カリギュラ!」という掛け声。この魂の叫びを担当するのは、オリジナル版公開当時に「カリギュラ!」のギャグを披露していたせんだみつお。
映像のラストには、宮殿で催される豪華絢爛な宴、大浴場で男女が妖しく絡み合う場面など、豪華さといかがわしさが同居する本作ならではの世界が広がる。そして最後には、カリギュラの「許さねえ!」という絶叫に、せんだの「カリギュラー!」という咆哮が畳みかけるように響きわたる。まさに本作のカオスを体現した予告映像となっている。
映画『カリギュラ 究極版』は、2026年1月23日(金)より全国公開。

紀元一世紀前半、ローマ帝国の王室は第二代ローマ皇帝・暴君ティベリウスの下で堕落しきっていた。初代皇帝の曾孫であるカリギュラは、祖父であるティベリウスの異常性癖に辟易しながらも重度の性病に侵される姿を横目に、その王座を虎視眈々と狙っていた。やがてティベリウスは病床に臥せ、この好機を逃さなかったカリギュラは親衛隊長マクロと共に暗殺を企て、ローマ皇帝の座を強奪することに成功した。第三代ローマ皇帝となったカリギュラは、世継ぎのためにカエソニアという淫乱女を妻に迎え、本格的な統治を開始する。初めは民衆から絶大な人気を得ていたが、内なる欲望を抑えきれず徐々に暴君の片鱗を見せ始める。
出演:マルコム・マクダウェル、ヘレン・ミレン、ピーター・オトゥール、 ジョン・ギールグッド、テレサ・アン・サヴォイ
配給:シンカ
© 1979, 2023 PENTHOUSE FILMS INTERNATIONAL
2026年1月23日(金) 新宿武蔵野館、TOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
公式サイト caligula_kyukyoku_movie