May 20, 2021 news

映画『茜色に焼かれる』こころを鷲掴みにする次世代の注目株・和田庵の魅力とは

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今の世相に正面から対峙し、もがきながらも懸命に生きようとする「母の生き方」を捉えた、圧倒的な愛と希望の物語『茜色に焼かれる』が5月21日(金)より全国公開を迎える。

本作で、人間の内面に鋭く向き合ったのは、『舟を編む』(13)、『ぼくたちの家族』(14)、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(17)など、毎年のように質の高い作品で今や日本映画界を牽引する石井裕也監督。多難の時代に逆風を受けながらも自身の信念の中でたくましく生きる母親・田中良子を演じるのは、尾野真千子。2021年は『ヤクザと家族 The Family』『明日の食卓』と出演作の公開が続く、実力派女優の尾野が厳しい社会を生き抜く母親を驚くべき存在感で体現。尾野の新たな代表作の誕生となった。13歳の息子・純平を演じるのは『ミックス。』(17)でも存在感を出した次世代の注目株・和田庵。その純平が憧れを抱く良子の同僚・ケイには『あの頃。』(21)の新進女優・片山友希、そして、交通事故で命を落とす夫・陽一をオダギリジョー、良子とケイを見守る風俗店の店長を永瀬正敏が演じ、それぞれ確かな人間力を見せてくれる。

逆境の中でも信念をもって生きる親子の姿を描く

石井監督が語る和田庵をキャスティングした理由

本作で主人公の息子・純平役を演じたのは、オーディションで選ばれた和田庵。2005年生まれ、東京都出身。8歳から芸能活動をはじめ、映画「ミックス。」で俳優デビュー。フジテレビ「隣の家族は青く見える」やH B O アジア「フォークロア:TATAMI」に出演し注目を集める。その後、語学力と人間力を高めるべくカナダへと留学するが、コロナ禍の影響を受け2020年夏に帰国し、本作の撮影に挑んだ。

一足早く映画を観た人からの「和田庵演じる中二造形は最大の発明」「こころを鷲掴みされた」「若くして迫真の演技」「10代の繊細な感じはとてもよかった。」「石井監督をして、あの伝説のハリウッド俳優を彷彿させると言わしめた逸材。」などといった、絶賛の感想がSNS上であふれている。

『茜色に焼かれる』
スケボー選手を目指して留学経験もある和田庵

石井監督は「純平役の和田庵くんはオーディションで選びましたが、とてもいいです。挨拶をする声を聞いて決めました。一瞬でした。彼はスケボーの選手になりたくて、中学1年でバンクーバーに留学していたんですが、コロナ禍になって帰ってきた人。ほかの子役とは似ていないというか、自分の人生をちゃんと生きている。彼の話なら聞こうと思える。彼の生き方にとても魅力を感じますし、よこしまな気持ちが全然ない。とんでもなく素直。そこがいい。純平役ではそれをそのまま出してもらった感じです」と印象を語った。

メイキングシーン和田庵
本作では母親想いの純平役を演じ切っている

和田は「オーディションに合格したと聞いたとき、最初は喜びがあったんですけど、すぐにプレッシャーが来ました。台本が届いたら、台詞の多さ、尾野真千子さんの息子役という大きさに驚いて、本当に自分にできるのかなって。でも、その反面、よしやってやろうという気持ちが湧き上がってきたのも覚えています」と出演が決まった時の気持ちを明かす。そして「期間としては2ヶ月くらいの現場だったんですけど、最後の1週間は撮影が終わってしまうのが寂しかったです。とても濃い時間でした。これからも頑張っていきたいです。スケボーもかけがえのない趣味なので、両方をやっていく俳優を目指したいですね」と今後の意気込みを語った。

映画『茜色に焼かれる』
5月21日(金)より全国公開


『茜色に焼かれる』

あらすじ
悪い冗談みたいなことばかり起きるこの世界で母ちゃんも、僕も、生きて、生きる。
1組の母と息子がいる。7年前、理不尽な交通事故で夫を亡くした母子。母の名前は田中良子。彼女は昔演劇に傾倒しており、お芝居が上手だ。中学生の息子・純平をひとりで育て、夫への賠償金は受け取らず、施設に入院している義父の面倒もみている。経営していたカフェはコロナ禍で破綻。花屋のバイトと夜の仕事の掛け持ちでも家計は苦しく、そのせいで息子はいじめにあっている。数年振りに会った同級生にはふられた。社会的弱者―それがなんだというのだ。そう、この全てが良子の人生を熱くしていくのだからー。はたして、彼女たちが最後の最後まで絶対に手放さなかったものとは?

『茜色に焼かれる』
©2021『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ
映画『茜色に焼かれる』

出演:尾野真千子
和田庵 片山友希 / オダギリジョー 永瀬正敏
大塚ヒロタ 芹澤興人 前田亜季 笠原秀幸 / 鶴見辰吾 嶋田久作
監督・脚本・編集 石井裕也
製作:五老剛 竹内力
ゼネラルプロデューサー:河村光庸
エグゼクティブプロデューサー:飯田雅裕
プロデューサー:永井拓郎 神保友香
共同プロデューサー:中島裕作 徳原重之 長井龍
主題歌「ハートビート」/ GOING UNDER GROUND(ビクターエンタテインメント)
『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ:朝日新聞社 RIKIプロジェクト
製作幹事:朝日新聞社
制作プロダクション:RIKIプロジェクト
配給:フィルムランド 朝日新聞 スターサンズ
©2021『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ
2021年/日本/144分/カラー/シネマスコープ/5.1ch R-15+
公式サイト:akaneiro_movie.com

5月21日(金)より全国公開