Apr 25, 2023 news

ドキュメンタリー作品では史上2作目の快挙!二コラ・フィリベール監督が映画『アダマン号に乗って』ベルリン国際映画祭最高賞の喜び語る

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今年2月、第73回ベルリン国際映画祭コンペティション部門で最高賞である金熊賞を受賞した、映画『アダマン号に乗って』。ドキュメンタリー映画が金熊賞を受賞するのは、長いベルリン国際映画祭の歴史においても2度目という快挙。この度、本作を監督した、二コラ・フィリベールのインタビュー映像が公開された。

『ぼくの好きな先生』(2002)で知られ、長年、多様な存在や価値観があることを淡々と優しい眼差しで映し続けてきた、現代ドキュメンタリーの名匠ニコラ・フィリベール監督が最新作で取り上げたのは、パリ、セーヌ川のほとりにある、木造建築のユニークなデイケアセンターの船「アダマン」。精神疾患のある人々を無料で迎え入れ、絵画、音楽、ダンスなど創造的な活動を通じて社会と再びつながりを持てるようサポートしているこの船では、誰もが表情豊か。共感的なメンタルケアを貫くこの場所をニコラ監督は「奇跡」だという。

受賞時の気持ちについてニコラ監督は、「受賞以前に作品がノミネートされたことが嬉しかったです。今まで参加はしていても、ノミネートされたことはありませんでした。金熊賞受賞は予期していなかったので、本当に驚きました。自分にとっても、作品にとってもいいことだと思っています。作品が今後、精神医療に与える影響にも期待しています。精神医療の世界は今、苦しみの中にあるので、少しでも人間的な精神医療にスポットライトが当たってくれれば嬉しいです。」と語る。

映画『アダマン号に乗って』は、4月28日(金)より ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開。

作品情報
映画『アダマン号に乗って』

パリの中心地・セーヌ川に浮かぶ木造建築の船。ユニークなデイケアセンター<アダマン号>。精神疾患のある人々を迎え入れ、文化活動を通じて彼らの支えとなる時間と空間を提供し、社会と再びつながりを持てるようサポートをしている。運営するのは、精神科医療の世界で起こる“質の低下”や“非人間化”の波にできる限り抵抗しようとするチームだ。患者もスタッフも区別なく、誰しもにとって生き生きと魅力的なこの場所を優しい眼差しで捉えたドキュメンタリー。

監督:ニコラ・フィリベール

配給:ロングライド

© TS Productions, France 3 Cinéma, Longride – 2022
©Jean-Michel Sicot

2023年4月28日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか 全国公開

公式サイト adaman