Jan 14, 2024 interview

間宮祥太朗インタビュー 役者はこの瞳で嘘をつく『ある閉ざされた雪の山荘で』 

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劇中の役者と役者・間宮祥太朗

ーーここからは劇中のセリフに準えて質問させてください。「若い劇団員が芝居語らないでどうする」といったセリフがありました。一般的にそういうイメージはあると思うのですが、間宮さんは仲間内で芝居論的な話をしますか?

芝居論に関しては話さないです。それぞれジャンルや方法論が違いますし、それぞれの方法で評価されればいい。結局、芝居論って並行的に見ることはできなくて、”俺はこいつの芝居がすごい”っていう好みの話だと思うんですよ。

「こういう組み立てで役作ってるからダメなんだよ!」みたいな話にはならないですね。

ーーなるほど。

芝居論じゃなくて、仕事としての悩みとかは話します。逆に、”これきっかけに考え方が変わって、いまのスタンスになったんだよね”って話も結構します。

ーーご職業が役者さんなので、そういうイメージがありますが、他業種の方たちの仕事の悩みと変わらないってことですよね。

そうですね。

ーー本作の登場人物たちの中で誰かは確実に嘘をついています。やっぱり「役者は嘘をつくのが上手い」んですか?

普通の人よりは上手いかもしれないですね。

ーー実際そう感じることありますか?

役者に限らず、”本当は全然そういう人じゃないんだ”って見せている人たちもいるので、上手いんだろうなと思いますね。大前提に職業として、”人にどう見られているか?”って事を理解していることが大事な仕事ですから。

ーー考えてみればそうですよね。そういった芸能界、役者の世界って劇中のセリフ同様「努力が報われない世界」なんですか?

努力が報われないと思うよりも、何をもって報われるとするか、かなと。努力したことで得た能力とか、忍耐力とか、技術とか、そういうもので報われている部分もあると思うんです。例えば、バーベルを上げるのと一緒で、努力すればするだけ重量は上がってくし、回数が増えていくけど、大会で優勝できなかったという話で。

ーーより重いものを上げられるようになったし、筋肉もついた、と。

役者の世界でいうと賞を取るとか、具体的なことを求めているのであれば、それは報われない可能性もあると思います。でも個人の考えとして、自分が欲しかった称号は手に入らなかったけど、その努力自体は報われているのでは、と。

だから、役者の世界も、ある意味では報われる世界だと思います。

取材・⽂ / 小倉靖史
撮影 / 藤本礼奈

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作品情報
映画『ある閉ざされた雪の山荘で』

劇団に所属する役者7人に届いた、4日間の合宿で行われる最終オーディションへの招待状。新作舞台の主演を争う最終選考で彼らが“演じる”シナリオは、【大雪で閉ざされた山荘】という架空のシチュエーションで起こる連続殺人事件。出口のない密室で1人、また1人と消えていくメンバーたち。果たしてこれは、フィクションか? それとも本当の連続殺人か?彼らを待ち受ける衝撃の結末とは‥‥。

監督:飯塚健

原作:東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」(講談社文庫)

出演:重岡大毅、中条あやみ、岡山天音、西野七瀬、堀田真由、戸塚純貴、森川葵、間宮祥太朗

配給:ハピネットファントム・スタジオ 

©2024映画『ある閉ざされた雪の山荘で』製作委員会 ©東野圭吾/講談社

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