Apr 25, 2018 interview

マンガ好きの菅田将暉が語る 『となりの怪物くん』原作&映画の魅力と最近読んだ意外な本

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今回は兄弟役を演じた菅田&古川、前回の共演作と同じ場所での再会なのに…?

 

──春の兄・優山を演じた古川(雄輝)さんが、共演した映画『高校デビュー』(11年)でクランクアップした場所と、今回この現場で再会した場所が同じだったとお話ししていましたが、当時のことは覚えていましたか?

そうみたいですね!実は、全く覚えていなかったんです(笑)。でも古川くんにそれを言われて、びっくりしました。古川くんって、いつもすごく冷静で、思い出に熱量がある人だと思っていなくて(笑)。なので、覚えてくれていたことがすごく意外でしたが、嬉しかったです。

──菅田さんは忘れてしまっていたんですね(笑)。

いや(笑)!初めて会った時のことは覚えていますよ。帰国子女の古川くんは、「はじめまして、古川です」って名字だけ言って、握手を求めてきたんですよ。それを見て「外国人みたい!かっこいい!」って思ったんです。その印象が強すぎて、他のことを忘れちゃったのかもしれません(笑)。

 

 

月川監督が独特なギミックで描く春の“怪物感”と“心躍る瞬間”

 

──さて、月川翔監督とは、今回初めて一緒にお仕事されましたが、いかがでしたか?

すごくギミックが効いた撮影をされる方だなと思いました。春の“怪物感”を、常軌を逸した表現で描いているんです。人並外れた運動神経や、怪力なところを表現したマンガを実写化するとなると、すごく難しいと思うのですが、月川監督はものすごく独特なギミックで描いていくんです。それは、ネタバレになるので具体的には言えませんが、最後の驚くようなシーンに繋がるんですよね。初めてそのシーンを観た若い子たちは、鼻で笑うと思うんですよ(笑)。でも、「笑っとけ!」って思うんです。そうなるくらい、心が躍る瞬間なんだよってことが、あのシーンで伝わったらいいなと思っています。だって、少女マンガの良さって、そこにあると思うんですよ。

 

 

──確かに、そうですね。

大好きな人との時間って、目の前にフィルターがかかっているからこそ、濃密になるじゃないですか。それをああいったギミックで表現する月川監督の演出は、すごく好きだなと思いました。

──劇中では、ブレザーの制服を着ていましたが、すごく衣装にもこだわったとお聞きしました。

そうなんです。原作に少しでも似るように、サイズ感を考えたり、靴もUSAのコンバースを選んだりと、こだわりましたね。僕の学校は学ランだったので、ネクタイもしていなかったですし、ブレザーも着ていなかったんです。なので、少し気恥ずかしかったですね。

 

 

二人の弟に抱く“親心”?『とな怪』を観た人には「気づきのきっかけとなったら嬉しいです」

 

──今作では兄弟の葛藤も描かれていますが、菅田さんも3兄弟の長男なんですよね。

はい。血が繋がっているという、もうどうしようもない事実が兄弟にはあるので、仲良くすることに越したことはないですよね。僕が上京してきた時よりも弟たちはどんどん大きくなってきて、末っ子なんて、お尻が90cmくらいのプロ野球選手みたいな体型になってきたんですよ!会う度に「たくましくなったもんだな」って親心が働きます(笑)。

──この作品を観て、観客の方にどんなことを感じてほしいですか?

僕もそうだったんですけど、高校生や中学生の頃って視野が狭くなるし、学校だけが世界だと思ってしまうんです。今考えると、なんであの人たちに気を遣っていたんだろうって思うような(笑)、“当時の友達”がたくさんいるんです。その反面、好きなものを通じて仲良くなった友達は、今でも仲が良いんですよね。だから周りにどんなことを言われようとも、自分の目で判断して、“自分がいらないと思うものはいらない”、“いると思ったものは手にする”という気づきのきっかけとなったら嬉しいですね。