Jan 18, 2017

インタビュー

15年来の友人から見た、綾野剛の進化とは? 映画『新宿スワンⅡ』金子ノブアキインタビュー

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2015年に公開され大ヒットを記録した映画『新宿スワン』の新章、『新宿スワンⅡ』が1月21日(土)公開となる。綾野剛、伊勢谷友介ら前作からのキャストに、新たに浅野忠信、広瀬アリス、椎名桔平らが加わりスケールアップ。新宿と横浜を舞台に、主人公・白鳥龍彦の奮闘が描かれる。龍彦が所属するスカウト会社「バースト」の幹部・葉山豊を演じた金子ノブアキに、撮影時のエピソードや綾野剛の魅力、新宿での思い出などを語ってもらった。

 

前作よりスケールアップさせることが至上命題

 

──前作が大ヒットし、新章『新宿スワンⅡ』の製作が決定した時の気持ちは?

前作の公開初日に、プロデューサーの又さん(山本又一朗)をはじめみんなで「第2弾、第3弾もやりたいね!」と盛り上がったのを覚えていたので、『Ⅱ』が決まった時は率直にうれしかったです。横浜王国編と聞いて、まず「滝マサキは誰が演じるんだろう?」とワクワクしましたね。撮影初日は「バースト」のメンバーが事務所で話し合うシーンから撮ったのですが、前作をともに戦ったみんなで集まれて、とても感慨深かったです。

──続編ならではの喜びですね。

又さんや(綾野)剛くん、深水(元基)くん、上地(雄輔)くんたちとは『クローズZERO』シリーズでも一緒だったんですけど、僕は『クローズZEROⅡ』(09年)からの出演だったから、続編の喜びを味わっていなかったんですよね。でも今回、知っているキャストとスタッフで、さらに新しい方を迎えて作品を作ることになって「続編っていいものだな」と実感しました。

 

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──新章ということで、作品との向き合い方もまた違ったのでは?

原作がパワフルなので、「そこに泥を塗ってはいけない」と思って挑んだのが前作。そして『Ⅱ』では、その前作からスケールアップさせなければいけないというのが至上命題でした。その結果、スゴい作品になったと思います。『Ⅱ』からの新キャストの皆さんが本当に素晴らしかったので、僕ら前作からの続投組は楽をさせてもらいました(笑)。

──「スケールアップさせなければいけない」ことに、プレッシャーはありましたか?

いやいや、僕は全然矢面に立つ立場じゃなかったから。でも、剛くんや伊勢谷(友介)さん、又さん、園(子温)監督らはみんなを引っ張っていかなきゃならなかったし、胃の痛い日々だったと思いますよ。

 

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もはやアクション映画。僕もエネルギーに圧倒された

 

──そういった方々の力もあって、『新宿スワンⅡ』は前作よりもパワーアップしたと思います。特にアクション面での進化が著しいです。

もう、アクション映画ですよね(笑)。僕は客観的に見られる立ち位置だったんですけど、そのエネルギーに圧倒されました。うらやましかったし楽しそうだったので、僕もアクションシーンを演じたいと思いましたね。今回アクション監督を担当した谷垣健治さんをはじめ、裏方さんにも新しい血が入って、とてもフレッシュな現場だったと思います。

──現場の熱も高かったのですね。

団結力がすごかったですね。たくさんの男とたくさんの男がワーッとぶつかる感じは、懐かしくもあり、爽やかでいいエネルギーだなと思いました。僕はみんなと一緒の撮影が少なかったから、撮影に入った日はそれこそ「整理番号1番」みたいな感覚で、「面白いな~!」と見ていましたね(笑)。

 

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──金子さんが演じた葉山は、「バースト」幹部でありながら裏では何を企んでいるか分からない男です。

前作では山田孝之くん演じる秀吉との関係性もあって重要な役でしたが、そもそも葉山って原作ではもっとモブキャラなんですよ。それに、原作だとそろそろ失脚するはずだから『Ⅱ』ではどう描かれるのかなと思っていたんですけど、「こうなったか」と(笑)。

──金子さんは葉山をどんな男だと捉えていますか?

もう一線を越えていて、後には引けないところまできている男だと思っています。ただ、何を企んでいるか分からなく見えるかもしれないけど、この世界じゃ当たり前のことなんですよ。誰も簡単に手の内は明かさないし、それは葉山に限らずみんな同じですから。

 

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──役作りに関して、園監督などからお話はありましたか?

キャラクターは園監督を含めみんなで肉付けをしていきました。例えば葉山なら「拳で語り合うキャラじゃないよね」と話し合って、脚本を軌道修正したり。他のキャラクターも全部一緒で、スタッフもキャストもみんなで意見を出し合って、それを反映して作り上げていきました。だから、とても楽しい現場でしたね。

 

剛くんは前回よりもキャラがなじんで、進化していた

 

──主演の綾野さんとは、先ほど少し話に出た『クローズZEROⅡ』が初対面の場ですか?

いえ、僕と彼は意外と長い付き合いなんですよ。『クローズZEROⅡ』よりもずっと昔で、お互い20歳くらいの頃かな。剛くんはかつてバンドをやっていて、そのつながりで紹介されたのが初対面です。だから、昔から知っている友達とこうやって共演できるのはうれしいですよ。歳も同い年(同学年)だし。

 

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──付き合いの長い金子さんから見て、『新宿スワン』シリーズ主演の綾野さんはどう映っていますか?

元々彼が持っていた明るい部分や熱い部分が、役を通してすごく伝わってきます。世間ではクールなイメージが先行していて、原作ファンの中には最初「どう考えても龍彦は綾野剛じゃないだろう」って思った人も多かったと思うんですけど、彼の中には「陽」の部分が昔から変わらずずっとあるんですよね。だから、明るい役ももっとできるはずだと思っていましたし、前作の彼を見た時は「剛くんの素敵な部分が出た!」と思いました。剛くんはいつも明るいし、優しいし、分け隔てなくフラットだし、穏やかだし。本当にいい奴なんですよ。それが『新宿スワン』シリーズにはすごく出ている。友達として、僕はそう思っています。

──『Ⅱ』になって、綾野さんの変化は感じましたか?

前作の現場での剛くんは、みんなを元気付けてテンションを上げようと声を掛けて回っていたんですけど、『Ⅱ』になったらもう「綾野剛」ではなく龍彦のまんま駆けずり回っていました(笑)。前作よりキャラクターがなじんでいて、「進化してる!」と思いましたね。

 

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新宿の思い出といえば
高校時代に学校をサボって焼肉を食べたこと(笑)

 

──ところで、金子さんは新宿という街に思い入れや印象深い思い出はありますか?

僕は下北沢が地元で、電車だと新宿か渋谷に出ることになるんですけど、若い頃は渋谷エリアばかり行っていましたね。新宿には怖いイメージがあって、あまり寄り付かなかった。ただ、高校時代は通学で新宿駅は利用していました。もう時効だから言いますけど、学校をサボって、みんなで新宿で焼肉を食べた思い出があります。すごく怒られました(笑)。

──そんな青春時代から20年近く経って、新宿の街並みも変わりました。

そうですね。今回も以前コマ劇(新宿コマ劇場)があった辺りで撮影をしたんですけど、感慨深かったです。ただ、「だいぶ変わったな、この街も……」なんて言っている自分に気付いて、「いかん、オッサン臭い発想になってる!」とも思いましたけど(笑)。

 

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──では改めて、『新宿スワンⅡ』を楽しみにしている読者に向けてメッセージを。

『新宿スワンⅡ』は、本当にたくさんの素晴らしい力が結集して、一大エンターテインメント作品になりました。とにかくド派手でスケールの大きな映画になったと思います。きっと楽しんでいただけると思うし、たくさん見ていただければ、さらに『新宿スワンⅢ』も作れますので(笑)、ぜひ劇場に足を運んでいただければと思います!

──ありがとうございました。最後に、オススメの本や漫画を教えてください。

漫画だと、最近読んでいるのが『アダムとイブ』という、ヤクザと透明人間の戦いを描いた作品。とにかくブッ飛んでいて、「んなアホな!」と終始爆笑です(笑)。描写もすごいので、読んでいて引き込まれますね。小説では、中村文則さんの『教団X』を電子書籍で買って読み始めました。あと、エッセイもよく読みます。特に伊集院静さんの『大人の流儀』シリーズが好きですね。

──電子書籍を活用されているんですね。

最初は「電子書籍ってどうなんだろう」と思っていたんですけど、使ってみると、こんなに楽に本を読めるんだと驚きました。本を持ち歩くのも楽しいけど、よく忘れてきちゃうんですよね。ハードカバーの前後編セットを買ったのに、前編を読んでいる途中で失くして呆然としたこともありました(笑)。電子書籍なら忘れることもないし、仕事柄旅をすることが多いので、荷物も減って助かっています。

 

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取材・文/左藤豊
撮影/吉井明
スタイリスト/上井大輔(demdem inc.)
ヘアメイク/高草木剛(VANITES)

 

プロフィール

 

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金子ノブアキ(かねこ・ノブアキ)

1981年6月5日生まれ、東京都出身。幼い頃から俳優として活動するほか、00年にはロックバンド「RIZE」のドラマーとしてメジャーデビュー。俳優としてもミュージシャンとしてもキャリアを重ねている。主な出演作に『クローズZEROⅡ』(09年)、『モテキ』(11年)、『Little Duck』(13年)、『白ゆき姫殺人事件』(14年)、『東京無国籍少女』(15年)、『新宿スワン』(15年)など。

 


 

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タイトル:「Captured」
(※Captured=捕獲する)

発売日:2017年1月18日 価格:税抜4,500円DVD/配信
LIVE:金子ノブアキ showcase【Caputured】
2017年2月4日(土)Billboard Live TOKYO
2017年2月11日(土)Billboard Live OSAKA

 

作品情報

 

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映画『新宿スワンⅡ』

一文無しで歌舞伎町にやってきた白鳥龍彦がスカウトマンとして成長する姿を描いた、和久井健の人気コミック『新宿スワン』。2015年に映画化され大ヒットを記録し、新章となる本作では原作の「横浜王国編」をベースに、横浜進出を目論む「新宿バースト」と、新宿さえも飲み込もうとする「横浜ウィザード」の全面戦争を背景に、男たちの熾烈な駆け引きと女たちの火花散る戦いが鮮やかに描かれている。前作に引き続き、プロデュースに『クローズZERO』などのヒットメーカー・山本又一朗、監督には国際的評価も高い園子温。そこに新たにアクション監督・谷垣健治が加わったことでさらにスケールアップ! 龍彦ら登場人物がスクリーンを所狭しと暴れ回る縦横無尽なアクションの連続で、前作をはるかにしのぐ爽快感に満ちた作品に仕上がっている。


映画『新宿スワンⅡ』
監督:園子温
出演:綾野剛、浅野忠信、伊勢谷友介
深水元基、金子ノブアキ、村上淳、久保田悠来、上地雄輔、広瀬アリス
高橋メアリージュン、桐山漣、中野裕太/中野英雄、笹野高史、要潤、神尾佑
山田優、豊原功補、吉田鋼太郎/椎名桔平
プロデューサー:山本又一朗
脚本:水島力也
原作:和久井健『新宿スワン』(講談社「ヤンマガKCスペシャル」所載)
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

2017年1月21日(土)TOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー
©2017 「新宿スワンⅡ」製作委員会

『新宿スワンⅡ』公式サイト

 

原作紹介

 
『新宿スワン』和久井健/講談社

2005~13年に『ヤングマガジン』で連載され、単行本全38巻に及んだ大人気シリーズ。2000年代初頭の新宿歌舞伎町を舞台に、主人公の龍彦が凄腕スカウト真虎に誘われ「バースト」に入社したところから物語は始まる。龍彦がホストに転身する「ホストバブル編」や、龍彦がライバル会社に潜入する「ミネルバ潜入編」、龍彦が新会社バーストネオを立ち上げる「すすきの監獄編」など映画では描かれていないエピソードも多く、これらの映画化も待たれる。

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金子ノブアキさんのオススメ本

 
『アダムとイブ』作・山本英夫 画・池上遼一/小学館

『殺し屋1』や『ホムンクルス』などを手掛けた山本英夫と、『男組』『サンクチュアリ』などで知られる絵師・池上遼一がタッグ。衰退するヤクザ社会を立て直すべく、“スメル”と呼ばれる嗅覚に長けた男が秘密結社を結成。しかしその会合で、透明人間の襲撃を受ける! 1人、また1人と仲間が死にゆく中、五感を研ぎ澄ましたヤクザたちは徐々に透明人間の姿を捉え始め……。「透明人間vsヤクザ」という今まで誰も見たことのないようなバトルが展開!

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『教団X』中村文則/集英社

自分のもとから去った女性は、公安から身を隠すカルト教団の中へと消えた。絶対的な悪の教祖と4人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める……。『掏摸』が米紙ウォール・ストリート・ジャーナルで2012年の年間ベスト10小説に選出され、アメリカの文学賞「デイヴィッド・グーディス賞」を日本人で初受賞した中村文則が、人間と悪、世界と運命について全精力を傾けて描いた代表作。

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『大人の流儀』伊集院静/講談社

苦難に立ち向かわなければならない時。人に優しくありたいと思った時。どうしようもない力に押しつぶされた時。自分のふがいなさが嫌になった時。大切な人を失ってしまった時。とてつもない悲しみに包まれた時……大人ならどう考え、どう振る舞うのだろう? 作家・伊集院静が「本物の大人」になりたい人へ捧げる大人気ベストセラー『大人の流儀』シリーズの第1弾。

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