Jan 20, 2019 interview

北村匠海×高杉真宙が明かす『十二人の死にたい子どもたち』同世代の俳優たちとの“セッション”、撮影の舞台裏

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それぞれのキャラクターの解釈、堤幸彦監督の演出

 

──堤監督の演出はいかがでしたか? 今回、堤さん的な小ネタもなかったですよね。

北村 1カ所、まっけん(新田真剣佑/“5番”シンジロウ役)に変な声を出させるっていうのが堤さんのフェティシズムなのかなと思いました(笑)。

高杉 あれはそうだったね(笑)。

北村 「ここで変な声出してみて」「はい」みたいな。びっくりしたよね(笑)。

高杉 うん。ところどころ面白いシーンはあるんですけど、今回は相当少ないですよね。あとは(“2番”ケンイチ役の)渕野(右登)さんと(“11番”マイ役の)吉川(愛)さんの空気の読めない感じの遊びはやっぱり堤さんっぽさがあるのかなと思いました。

 

 

北村 ディレクションとしては物静かにソロソロッと何かを僕たちに伝えてソロソロッと帰って行かれる監督でしたね。僕らも緊張感を持ってお芝居していましたけど、現場はすごく明るく穏やかな雰囲気でした。

高杉 緊張感はありましたけど、監督が怖いってこともなかったですね。全体的に大人な現場だった気がします。

北村 そうだね。みんなキッチリ仕事していてプロだなって。

 

 

──監督から言われたことは?

北村 ノブオみたいに普通に見える少年も実は自殺願望を抱いているということを体現したいというお話をした時に、監督から、目線とかでどこか少し人間恐怖症みたいなことを“弱表現”してほしい、あまり強すぎなくていいと言われました。

高杉 僕は割と常に笑顔でと言われていました。台本には「動かない表情」と書いてあったので、無表情で無感情なんだと考えて現場に行ったんですけど、「表情が固まったまま動かない」「固めた仮面を外さない」という解釈だったので、そこは堤さんと話して演技を変えていきました。最後は笑うのかと思っていたらそうではなくて、ずっと余裕の笑みでいる。客観的に見ているという怪しさをそこで作っていきました。それにもっと優しそうにっていう演出もありました。

北村 僕も台本を読んだ時はサトシのことを真宙くんと同じように解釈していて。本読みの時は無表情だったのに、現場に入ったら違ったからちょっとびっくりした。完成作を観たら、あの笑みがいろんなところで効いてたよね。僕は特に喫煙所でのシーンの笑みがすごい好き。

高杉 ありがとう(照笑)。

 

 

──確かにサトシの笑顔は印象に残りました。

高杉 表情を読まれないようにっていうことと、表情が読まれないことでどれだけ客観視できているかっていうのもあったと思います。廃病院に集まったみんなを不審がらせないようにしたかったし。監督がもっと優しくと言っていたのは、そういうサトシの信頼感みたいなものを表現するうえで必要だったのかなと思っていました。

──微笑みを崩さないまま長回しで。

高杉 頬がピクピクしてきましたね(笑)。

──同世代の俳優たちのガチンコの演技勝負だったと思いますが感想は?

北村 まっけんが大変そうだったよね。

高杉 うん、本当に大変そうだった。

北村 まっけんはストーリーテラーというか物語を進めていく役だからってこともあるけど、あんなセリフ量見たことがないし。

高杉 現場での変更もあったしね。それを言うとノブオさんも結構セリフ量あったよね。

 

 

北村 ノブオは一発入魂タイプだったから(笑)。途中で一発ストレート決めるみたいな。

高杉 でも結構長いセリフあったよ。ワンシーンとしては一番長かったんじゃない?

北村 そうかもしれない。

高杉 (台本を)めくってもめくってもまだノブオがしゃべってるっていう(笑)。びっくりした。

北村 ノブオ、突然しゃべりまくるもんね(笑)。そこは僕もビクビクしてました。