May 13, 2022 interview

横浜流星が語る 俳優人生の転換点となる『流浪の月』

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純粋にこの映画の世界にひたってほしい

―― コロナの影響で撮影が一時中断したそうですが、亮という役は感情を維持し続けるのが大変な役だったのでは?

集中力が切れないかっていうところだけが心配でした。でも、僕はずっと出ていたわけではないので、撮影して空いて、撮影してまた空いてということも多かったですし、このときは他の作品もやっていたので、その切り替えも、すごくしんどかったです。

―― 更紗役の広瀬すずさんとの共演はいかがでしたか?

やっぱり、現場での立ち居振る舞いも堂々としていて頼もしかったし、一緒にお芝居をしていても集中力も爆発力もあって、刺激をもらいっぱなしでした。

―― 個人的に『キセキ ーあの日のソビトー』という作品が好きだったので、あのとき共演されていた松坂桃李さんと横浜さんが、今回再び顔を合わせたことを感慨深く観ていました。

僕も『キセキ』で一度ご一緒していたので桃李さんとの共演は嬉しかったです。今回は、ああいう役の関係性なので、お互い現場ではあまり話さないようにしていたんですけど。本当はたくさん話したかったです(笑)。

―― 完成した映画は、どうご覧になりましたか。

本当に一観客として僕は観ていました。それこそ文とお母さんとのシーンのときなんかも、胸がキュッとなって苦しかったです。文があることを更紗に打ち明けるシーンは一番印象に残っています。これからご覧になるみなさんが、更紗と文の関係性をどう思うのかが一番気になるところです。だから、こう観てくれとか、ここを観てくれって言うよりは、純粋にこの映画の世界にひたってもらえたらなと僕は思っています。

―― 横浜さんにとって『流浪の月』は、俳優人生のなかで転換点になる1本になったのでは?

そうですね。僕もそう思います。

取材・文 / 吉田伊知郎
写真 / 吉田周平

作品情報
映画『流浪の月』

雨の夕方の公園で、びしょ濡れの10歳の家内更紗に傘をさしかけてくれたのは19歳の大学生・佐伯文。引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意を汲み、部屋に入れてくれた文のもとで、更紗はそのまま2か月を過ごすことになる。が、ほどなく文は更紗の誘拐罪で逮捕されてしまう。それから15年後。“傷物にされた被害女児”とその“加害者”という烙印を背負ったまま、更紗と文は再会する。しかし、更紗のそばには婚約者の亮がいた。一方、文のかたわらにもひとりの女性・谷が寄り添っていて‥‥。

監督・脚本:李相日

原作:凪良ゆう「流浪の月」(東京創元社刊)

出演:広瀬すず、松坂桃李、横浜流星、多部未華子 / 趣里、三浦貴大、白鳥玉季、増田光桜、内田也哉子 / 柄本明

配給:ギャガ

©2022「流浪の月」製作委員会

公開中

公式サイト gaga.ne.jp/rurounotsuki/