役者として切磋琢磨しあえる理由、芝居時の“目”に対する意識
──“稀に見る似たタイプだ”というお話がありましたけど、俳優としては違うタイプなのではという印象を受けます。新田さんは憑依型、北村さんは分析型というか。
新田 どうだろ?
北村 純粋にやってきた作品が違うからというのもあるかもしれないですね。『OVER DRIVE』までに、真剣佑は『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』を始め、いろいろな作品をやっているけど、僕は真剣佑がやってきた作品とは違うベクトルの、静かめの役も多かったし。歩んだ道は違うけど、紆余曲折しながら『OVER DRIVE』で一緒になって。だから役者としては違うタイプなのかもしれません。だからまたお互いに刺激し合えるのかなって思いますけど、(新田に向かって)どうですか?
新田 匠海は僕が持っていないものを持っているし、それがすごく魅力的で好きなところでもあって。でもふとしたところで似ているところもあって、それがまた好きだし。
北村 “目”に対する意識は似ているかもしれないですね。
新田 そうだね。
北村 芝居する時の“目”の重要さの置き所は似ている気がします。この世代で大事だよ、この人は。
もしそれぞれが本当にラリーの道を選んでいたら…?
──仲が良いからこそわかる、お互いが演じたキャラクターと似ているところ、似ていないところをそれぞれ教えてください。
北村 似ているというよりも、現場で見る真剣佑はずっと直純のままでした。それは実際に似ているからなのか、役を作り込んでいるからなのかっていうプロセスはわからないですけど。「仰げば尊し」でもそうだったけど、現場で見る真剣佑は良い意味で真剣佑じゃないという感覚。もし本当にラリーの道を選んでいたら、こんなドライバーになるんだろうなと思いました。
──直純の荒々しくて攻める要素は新田さんにもありそうですか?
北村 荒々しくはないですけど、アツさというか、直純のラリーに懸ける想いと真剣佑の芝居に懸ける想いがマッチングしていた感じです。真剣佑ってお芝居している時、全然瞬きしないんですよ。その目の強さとかはラリードライバーとしても役者としてもガッと心に入ってくるものがありましたね。
新田 基本的にこの二人はどんな人間にも似てないと思うんです。
北村 そうだね、特殊だし変な人だしね(笑)。
──新海という冷静沈着な天才ドライバーは、北村さんに被るところもあるんじゃないかなと思いました。
新田 さっき匠海も僕のことを言ってくれましたけど、確かに印象的には匠海がドライバーになったらこういう感じになるんだろうなと思います。でも実際になったとしたら、匠海ならもっとアツくなるんだろうなとも思ったり。
北村 きっと新海も幼い頃からラリーのことしか見てなかったのかもしれないし、ストイックで視野はあんまり広くないタイプだと思う。
新田 匠海が演じる新海にすごい深みを感じたし、すごい人生を歩んできたんだろうなと感じさせてくれるお芝居をしていたので嬉しかったな。すごかったです。