ドラマ「仰げば尊し」(2016年)で共演して以来、同世代の俳優として、友人として、交流を続けている新田真剣佑と北村匠海が久々に“再会”した『OVER DRIVE』。劇中では過酷な自動車競技ラリーの世界に生きるライバル・檜山直純と新海彰を、バチバチの火花を散らしながら演じた二人だったけれど、インタビュールームにも新田が北村をハグしながら現れるなど、その親密ぶりに場がほっこり。お互いを切磋琢磨しあった撮影を振り返ってもらった。
再共演で感じた“役者”としての凄み「怖いと思う役者はやっぱり匠海」「芝居で繋がってる感覚」
──完成作をご覧になった率直な感想からお聞かせください。
新田 まるでハリウッド映画のようだと思いました。匠海が先に観たんだっけ?
北村 僕、たぶん後。
新田 観た後、匠海も(直純のエージェント・遠藤ひかる役の森川)葵も、兄貴(直純の兄・檜山篤洋役の東出昌大)も連絡くれて。本当に迫力ある素晴らしい映画が出来たなってみんなで思っていました。
──新田さんも観た後、皆さんに連絡したんですか?
新田 僕はしてないです(笑)。
北村 これはもう真剣佑のすべてが詰まった映画だなって思ったので連絡したんです。今回、僕は東出くんや真剣佑が作り出す世界の一員になればいいなという想いで参加していたので。同じ世代の真剣佑がここまで前線でやってくれている姿を見てシビれましたね。(監督の)羽住(英一郎)さんにしかこの映画は撮れないと思ったし、この作品に携われたことがすごく嬉しかったです。
──久しぶりの共演ですが、今回、こういうところがやっぱりすごいと思った点は?
新田 僕、もともと匠海の芝居が大好きで。僕は友達が少ないんですけど、その中でも匠海は同世代で大好きですし、今回の芝居を観て――あまり一緒のシーンは多くはなかったですけど――芝居で怖いと思う役者はやっぱり匠海だなと思いました。
北村 まぁ、二人とも友達少ないんですけど(笑)、僕も真剣佑の芝居めっちゃ好きです。前に一緒にやった「仰げば尊し」で真剣佑のお芝居に惚れてから、お互い芝居で繋がっている感覚がありました。『OVER DRIVE』に行きつくまでお互い違うジャンルの映画に出演していたので、少しずつ成長しながらまた一緒に映画をやれたことも嬉しくて、それはすごく肌で感じていました。それこそ一緒のシーンでは毎回印象的な芝居を目の前で見せてくれて、真剣佑はでけぇなと。堂々としていて地に足ついているお芝居していて、貫禄というか、人間としての大きさを感じさせるというか。
新田 匠海は、本当に数秒しかない顔のアップのシーンでも、その瞬間だけで物語るんです。自分にはまだ出来ないと思う芝居もしてくるし、たまに羨ましいし、すごいなと思う。でもそう思わせてくれる役者に出会いたいなとずっと思っていたので嬉しいです。「仰げば尊し」から、お互い違う作品に出て成長したんじゃないかなとも思いますし。それでこうして匠海の芝居をまた間近で見られたので幸せです。
「お嫁さんになって欲しい」「真剣佑のマネージャーに(笑)」――“通じ合う”深い関係性
──俺たち“仲良いな”と思うエピソードがあれば教えてください。
新田 毎時間毎分毎秒、想っています。
北村 よく電話をくれます。お互い友達少ないしね(笑)。
新田 そうだね。
北村 テレビ電話とかもしています。やっぱり話せる相手なので、お互いにいろいろ相談したりする時間が多いです。俳優という職業って、自分と違う人格になるお仕事なのでちょっと大変な時もあって、お互いの慰め合いみたいな(笑)。
新田 心細い時に電話します。家に帰って「ただいま」って言える人がいないから、家に匠海がいてくれたらな~って。
──それは結構深いですね…(笑)。
北村 そりゃあね、深みがあるよね。相談する時はだいたい直接会ってるけど。
新田 本当に、お嫁さんになって欲しい…。ふふっ(笑)。なんだ、この気持ち悪い会話。
北村 いつか僕が真剣佑のマネージャーになればいいんじゃない(笑)。
新田 稀にいる似たタイプなんですよね。似たタイプなのか相性がいいのか思考が同じなのか…。通じ合うものがあると思います。
北村 さそり座のB型っていう共通点があるんだよね。
新田 特殊なんだよね。レオナルド・ディカプリオさんもそうだし(笑)。
北村 いろいろ話していても通じるものがあったりします。
──お二人の深い関係性は、最初からそうだったんですか?
北村 「仰げば」の時からそうだったかもしれないですね。ドラマが放送されたら、その放送回の話になるし。
新田 知っていくにつれて、「あぁ、似ているのかもしれないな」って。当てはまる言葉はよくわからないですけど、何か通じ合うなぁと思いました。