Mar 22, 2025 interview

映画『ネムルバカ』 久保史緒里×平祐奈インタビュー あれからずっと続いてる距離感

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3月20日より劇場公開となった 映画『ネムルバカ』。原作は石黒正数による同名マンガで、大学の女子寮で同じ部屋に住む後輩と先輩の心地よさと切実さが同居する、ゆるくて何気ない日常が描かれる。

メガホンをとるのは『ベイビーわるきゅーれ』シリーズで話題を呼び、今最も注目される若手映画監督となった阪元裕吾。原作に惚れ込み「ほかの作家にやられるくらいなら」とマンガの実写映画化に初挑戦した。

W主演で、大学の女子寮の同じ部屋に住む主人公の後輩・入巣柚実と先輩・鯨井ルカを演じるのは、久保史緒里(乃木坂46)と平祐奈。

本作で2人は息の合った演技を見せており、原作そのままのキャラクター感、阪元監督作品に流れる独特の空気感を見事にスクリーンに映し出す。しかし彼女たちは初共演。この唯一無二の関係性はどうやって生まれたのか?

入巣とルカ 久保と平

ーー入巣から見たルカ、ルカから見た入巣と、お互いの役の魅力を教えてください。

平 ルカと入巣って正反対な性格だったりするけど、共通して自分に自信がなくて、どこかしら似ているところがあると思っています。

入巣は、やりたいことが見つからなくて必死にもがいているけど、すごく母性がある。ルカも入巣をすごく信頼しているし、心の拠り所にしていて、どこかしらお母さんみたいに包み込んでくれる安心感みたいなものを感じていると思う。

だから入巣の魅力は母性(笑)。でもしーちゃん自身も母性があるから、それが入巣に反映されていると思うんですけどね。

久保 入巣は将来について迷っているけど、先輩はちゃんと自分の中にプロミュージシャンになるという大きい夢があって、それに向けて努力している。

ルカ先輩の姿を女子寮の部屋で見ている感覚が、たいちゃんが撮影中に「今日この後、歌の練習しなきゃいけないんだよね」って言っている姿にすごく重なって見えました。

入巣にないものを先輩は全部持っていて、そして私にないものもたいちゃんが全部持っていたので、相乗効果で、そこがすごく魅力的だなと思って見つめていました。

ーー今回の役柄を演じるにあたって、準備したことはありますか?

久保 私は大学生活の経験がないので、お休みのたびに地元に帰って、大学生の友達と一緒にカラオケへ行ってみたり、どんな心境なのか聞いてみたり、自分が経験できなかったことを補うようにしてみました。

一番仲のいい地元の友達が本当に入巣みたいで、就職活動とかで履歴書を送るときも「私ってどんな人? 自分では分かんないから教えて」みたいに聞いてくれるんです。撮影前は、その子とだいぶ一緒に過ごしました。

ーー平さんは今回初挑戦のことが多くて大変だったと伺いました。

平 もう苦労だらけでしたね。「今日スタジオ入って練習します」とか、本当にバンドマンみたいなことを言って、撮影に入る1カ月前から、ギターの練習をしたりレコーディングしたり、金髪にするのも全部初めての挑戦でした。

ギターも触ったことないし、コードも読めないし、手から血が出るし、もうわかんないよ!って思いながらも、がむしゃらに取り組んでいました。

ーーその甲斐あって、ライブシーンはとてもかっこよかったです。

久保 原作で入巣が先輩のライブを見て、「なんか遠い」って言うんですけど、ライブシーンを撮っているとき、まさにその感覚でした。たいちゃんが、かっこよ過ぎてめっちゃ遠く感じました。

 普段は逆なんですよ。私がその気持ちなんです。

久保 (笑)。乃木坂46のライブを見にきてくれたりするからね。

ーーライブハウスのシーンは、『ネムルバカ』の見どころのひとつですよね。

久保 すごかったね。余すことなく使われていますもんね。ライブシーンは是非劇場で味わってほしい。

平 出来上がって観たら「脳内ノイズ」って曲をとても長く使っていてびっくりしました。あの音を体感してほしいですね。