日本では初の実写化
ーー熱心なファンがいる漫画は、アニメ化するだけで賛否両論が起きて、ましてや実写化になるとかなり厳しい評価を得ることが多いなか、「シティーハンター」は過去作品が割と高評価を受けてきました。そこに対するプレッシャーもかなりあったんじゃないですか?
鈴木 いまだにすごくあります。実写でいうと、香港版と韓国版はかなり原作とは別物に変えていますが、それはそれで良さがある。そして何よりフランス版の出来がすごく良かったので、もちろんプレッシャーにはなりますよね。
そのフランス版はアニメに重心を置いて作られていて。じゃあ僕たちが日本の作品を日本で実写化するなら、原作者の北条司さんが描いた、漫画を大切にしてみようと。”本当のシティーハンター”とも言える原作漫画と、エンディングテーマの「Get Wild」などアニメのいいところを組み合わせて作る。そうすれば日本ならではの、よりオーセンティックものができるんじゃないかという考えでした。
それから日本で撮ると新宿という街が使えるアドバンテージは大きいと思います。シティーハンターのもう一人の主人公は新宿の街だと思っていますから。今回、思い切ってストーリーも変えさせていただきました。原作にないエピソードをやっているので、そこへの批判はいただくかなと思いつつ、2時間の尺にしたときに、シティーハンターの骨格が伝わるように、核となっている部分をぶらさずに、一番楽しい部分が伝わる形を目指したつもりです。
ーー森田さんは、作品への期待が高まってほかの作品と比べられてしまうことに対してのプレッシャーはありますか?
森田 私もフランス版を拝見して、とても面白くて、”あぁシティーハンターだ”って思いました。でもやっぱり日本の漫画原作なので、絶対に日本でしかできない良さがあるって信じていました。それに亮平さん、監督、キャストさんスタッフさんも、原作に対してリスペクトを持って撮影しているのがひしひしと感じられていたので、ファンの方から見たときに、”これは自信を持ってお届けできる作品になるんじゃないかな”って撮影中から思っていました。
なおかつ今回はじまりの物語なので、幅広い方々に楽しんでもらえると思います。今回、原作では描かれていない余白の部分を広げているので、香ちゃんはお兄さん(槇村秀幸)が亡くなったときにこういうこと思ってたのかな?とか、原作漫画、アニメにも想像を馳せてほしいです。プレッシャーももちろんあるんですけど、今は早くお届けして感想を聞きたいなって思っています。