Jul 04, 2025 interview

『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』 栗田貫一 × 浪川大輔 インタビュー 新たなるファミリーがつくるルパンの原点

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“俺の名はルパン三世。かの名高き怪盗ルパンの孫だ”TVアニメ版オープニングのセルフオマージュで幕開けする『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』が6月27日に全国公開された。久しぶりの完全新作ルパンに日本中が沸きあがっている。舞台は、地図に載っていない謎の島。そこでルパン一行を待ち受けていたのは、不死身の血族と呼ばれる存在・ムオムだった。物語は前代未聞のスケールとドラマで描かれ、すべての「ルパン三世」へと一筋につながっていく。

本作の監督を務めるのは小池健。彼の手がけた「LUPIN THE IIIRD」シリーズは、今や「小池ルパン」とも称されるほど、ハードボイルドかつ迫力のあるタッチでキャラクターを描き、国内外でそのスタイリッシュな演出が高い評価を得ている。「LUPIN THE IIIRD」シリーズは、TVアニメ「ルパン三世」の放送開始40周年を記念し制作された、スピンオフ作品「LUPIN the Third ~峰不二子という女~」 (2012/NTV系/全13話) に端を発する。この作品で確立されたハードかつアダルトな作風を「峰不二子という女」でキャラクターデザイン・作画監督を担当した小池健が引き継いだ。

そして「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標」(2014) 、「LUPIN THE IIIRD 血煙の五ェ門」(2017)、「LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘」(2019) とTVシリーズ以前の若い彼らを描いてきた。そして6月20日に、Prime Video他で配信された「LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン」(2025) は、今回の劇場版『不死身の血族』の前日譚となる。

『不死身の血族』の公開を機に「ルパン三世」おなじみのキャストから、ルパン三世役の栗田貫一さん、石川五ェ門役の浪川大輔さんに、まるで運命に導かれるかのように行き着いた本作の魅力、「ルパン三世」への敬愛と継承、そして美学を語っていただいた。ぜひ彼らの声を脳内再生して読んでほしい。

ここから始まるルパンファミリー

ーー本作は「LUPIN THE IIIRD」シリーズの集大成という印象を受けました。完成した本編をご覧になった感想をお聞かせください。

栗田:ルパンファミリーみんなの関係性が芽生えたというか、一味の一体感がここから始まったのかな、と感じました。「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標」のときは、仲間だと思っていた次元に「ただのビジネスパートナーだ」って言われていたしね。僕自身も「墓標」で初めて小林清志さんとお芝居した気がしたんです。それまでは次元としかしゃべっていなかったんですけど、あのとき初めて小林さんが背中を貸してくださった印象があって、それをよく覚えています。いつものルパンとは全く違う関係性から始まる「LUPIN THE  IIIRD」シリーズ作品が、本作で5本目になります。銭形も含めて、みんなの関係性がここから生まれていく映画ですね。

ーー浪川さんは、本作に対してどんな感想をお持ちですか?

浪川:サブタイトルの「不死身の血族」は、敵であるムオムを指していると思いますが、とはいえルパン三世だって不死身のイメージがあります。そんなルパンとその一味がこんなにも追い込まれて‥‥胸をグッと締め付けられるような感覚が長かったので、観終わった後、肩の力が抜けました。「本当に良かった」とか「あ、ルパンってこうやって続くんだな」とか「こういう苦い経験、辛い経験があるから、深いのかな」とか。いろんな感情が出てきました。